2018年12月7日(金)
参院外防委 日欧EPA承認案が可決
井上氏反対 「都合悪い事実にふた」
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日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の承認案が6日、参院外交防衛委員会で自民、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、沖縄の風が反対しました。
日本共産党の井上哲士議員は反対討論で、同協定は「EUに対して過去最大級の自由化を行う協定で、大企業の利益を最優先して市場開放するものだ」と指摘。欧州委員会の試算では乳製品の対日輸出が約948億円増加する一方、日本政府が国内生産の減少額を最大203億円と試算し、4・5倍ものかい離が生じているとして、「都合の悪い事実にふたをして、ただ『万全の対策』と繰り返すばかりの政府の姿勢は、到底国民からの理解は得られない」と批判しました。
採決に先立つ質疑で井上氏は、欧州側に試算の前提や根拠を照会したのかと質問。小里泰弘農林水産副大臣は「農水省の計算とは考え方の異なるものだ」として、照会していないと認めました。
井上氏は、環太平洋連携協定(TPP)についての参院内閣委員会の決議「他の参加国における試算例や各県の試算例も参考として、より精緻なるよう、見直しに努める」との趣旨を政府が踏まえるとした農水相答弁を示し「EU側は協定に基づいてチーズの輸出攻勢をかけようとしているのに、まともに試算を検証しないもとでは、到底日本の酪農を守れない」と強調しました。
同日の同委員会では日欧間の「戦略的パートナーシップ協定」(SPA)承認案も自民、公明などの賛成多数で可決。日本共産党は反対しました。