2018年12月6日(木)
COP24inポーランド
議論が一変 「1.5度報告書」に衝撃
首脳ら言及 特別イベントも
【カトウィツェ(ポーランド南部)=伊藤寿庸】地球の平均気温が1・5度上昇と2度上昇の場合で、影響はどれだけ違うのかについて、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が10月に発表した特別報告書(「1・5度報告書」)は、今回の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で「1・5度」がキーワードになるほど議論を一変させています。
3日の首脳級会合でも多くの首脳が「1・5度」に言及。4日には「1・5度報告書」をIPCCの科学者が解説する特別イベントも開かれ、締約国、オブザーバー、市民社会の代表も参加して、活発な質疑応答が行われました。
出席した国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)のエスピノーサ事務局長は、「報告書の内容の豊かさが多くの会話を刺激している」と発言。島しょ国連合を代表してモルディブは、「1・5度報告書」が、「COP24のあらゆる議論に影響を与える『ゲームチェンジャー』(事態を一変させる出来事)となっている」と述べました。
さまざまな国や団体が会議中に行うサイドイベントも「1・5度」をテーマにしたものが20以上予定されています。
もともとパリ協定が「1・5度」の「努力目標」に触れたのは、2度上昇でも生存が難しい、島しょ国や後発開発途上国などの強い要求があったからです。昨年のCOP23では、議長国フィジーのバイニマラマ首相が、気温上昇を1・5度に抑える目標で、世界が団結するよう呼びかけていました。