しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年12月2日(日)

きょうからCOP24

温暖化対策 国目標上げ焦点

 【ベルリン=伊藤寿庸】地球温暖化対策のパリ協定の「実施ルール」策定を目指す国連の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)が2日からポーランド・カトウィツェで開かれます。世界各地で、ハリケーンや台風、豪雨、干ばつ、猛暑、山火事などの気候災害が相次ぐ中で、温室効果ガスの排出削減や被害緩和の対策、途上国支援などをめぐって議論が行われます。

 2015年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温を産業革命前に比べて2度未満に抑え、さらに1・5度未満に向けて努力することを目標にしています。各国の削減目標を足しても、この目標には届かないことが明らかとなっており、パリ協定の実施に向けたルール作りや国別目標の引き上げが議論の焦点となっています。

 11月27日に発表された国連環境計画(UNEP)の報告は、昨年のCO2排出が過去最高だったと明らかにしました。今世紀中の気温上昇を2度あるいは1・5度未満に抑えるためには、2030年までに昨年比25~55%の排出削減が必要で、現行の取り組みの3倍化、5倍化が必要だと警告しました。

 すでにトランプ政権は、パリ協定の離脱を表明し、化石燃料利用を続けながら「温暖化対策」をするなどと主張。世界第2位の温暖化ガス排出国としての責任放棄として国内外から批判が強まっています。日本政府も、石炭火力の建設・輸出など化石燃料への依存と、国際的にみても低い削減目標が、市民社会から批判を受けています。

 米国の逆行姿勢の中で国際的により大きな役割を果たしていく意向を明らかにしている欧州連合(EU)は11月28日、50年までの実質「排出ゼロ」を目指す気候戦略を発表。エネルギー節約、再生可能エネルギー、交通運輸での排出削減の取り組みを強めるとしています。


pageup