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2018年11月23日(金)

徴用工問題 「赤旗」攻撃の河野外相

どちらがミスリードか

 河野太郎外相が、「しんぶん赤旗」を「極めてミスリーディング(誤導的)だ」と名指しで攻撃しています。

 攻撃の的となった「赤旗」15日付は、衆院外務委員会での日本共産党の穀田恵二議員の韓国大法院による徴用工判決をめぐる質問の詳報(14日)を掲載。新日鉄住金に対し同元徴用工への賠償を命じた同判決について「日韓請求権協定で完全かつ最終的に終わった話であり暴挙だ」「国際法に基づく国際秩序への挑戦だ」などと攻撃する河野外相と外務省が、日韓請求権協定によって個人の請求権は「消滅していない」と明言したことを報道。同判決を「『日韓請求権協定に明らかに反する』としてきた安倍政権の姿勢が根本から揺らいだ」と指摘しました。

 これに対し河野外相は「個人の請求権は救済されないということにはなんら変わりはない」「何かが根本から揺らいだわけではなく、極めてミスリーディング」などとしました。

 しかし「ミスリーディング」なのはどちらか。

 河野氏が認めたように個人の請求権が消滅していないとすれば、元徴用工が住金に賠償請求する実体的根拠はあることになります。「完全かつ最終的に終わった」とか「請求権協定に明白に違反する」という政府の姿勢は「根本から揺らぐ」ではありませんか。

 河野氏は、個人の権利は残っても「救済されないことにかわりはない」などともいいます。しかし、実体的に権利があるなら、加害者にはこれに対応する実体的な義務があります。権利の救済、実現の問題が残っていることは明白です。それを半ばわかっていて「完全かつ最終的に終わった」などということこそミスリーディングです。このことが暴露されて河野氏は焦っているのです。

 現に「救済」の実例はあります。中国人の強制連行事件に関連して西松建設は2010年に加害責任を認め謝罪。1億2800万円の解決金を基金信託することで被害者と和解しました。花岡事件、三菱マテリアル事件などでも同様の解決が図られています。

 安倍政権は判決後、在韓の日本企業に対し、「日本政府の態度」を説明し賠償に応じないよう促しています。企業の自主的な権利救済への動きも封じるもので「権利の侵害」とさえいえる行動です。


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