2018年11月19日(月)
障害者の尊厳守って
憲法と権利条約にふさわしい施策に
障全協が第52回全国集会
障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協・中内福成会長)は18日、東京都内で第52回全国集会を開きました。参加者250人は、「社会の底辺に置かれている障害者の問題を解決しない社会は弱くてもろく、すべての人の人権を保障しません」として、憲法と障害者権利条約にふさわしい施策の実現を求める集会アピールを採択しました。
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中内会長はあいさつで、障害児の義務教育化を勝ち取った運動から働く場をつくる作業所づくりの運動など50年超にわたる障全協運動の歴史を振り返り、「暮らしの支えを家族依存とする施策のひずみが今現れている」と指摘。「私たちの要求は憲法に保障された要求だ。横の広がりも大切にして運動をすすめよう」と呼びかけました。
白沢仁事務局長が基調報告で、旧優生保護法下の強制不妊手術をはじめ、官公庁による障害者雇用数の偽装、障害年金打ち切りなど障害者をめぐる政治的な問題が連続して表面化したと強調。共通するのは長年にわたる障害者差別・排除だと述べ、これらに立ち向かうためにも運動・組織を大きくする取り組みを提起しました。
参加者は、さまざまな問題を報告。障害児の療育にたずさわる事業に多くの営利企業が参入し、子も親も振り回されている現状や、障害者が65歳になると障害福祉サービスではなく介護保険を強制的に使わされる問題などを訴えました。
北海道生活と健康を守る会連合会の細川久美子副会長が記念講演。「障害者である前に、人間としてみてください」と訴えて、「生活と健康を守る会」の活動とともに精神障害者の支援活動に40年間取り組んできたことを語りました。市橋博副会長が閉会あいさつをしました。
暮らしの場づくり考える
障害者医療など10の分科会
障全協の全国集会では、障害者医療、参政権保障など10の分科会が開かれました。
障害児者の暮らしの場づくりの分科会では、「埼玉暮らしの場を考える会」の足立早苗会長が、埼玉県川口市内で来年、入所施設を開設することになった取り組みを紹介。障害の重い人も自分らしく尊厳をもって生き続けられる暮らしの場は、職員や共に暮らす仲間たちと家族に代わる豊かな人間関係が築けていて、地域の暮らしの拠点機能となるところだと語り、暮らしの場づくりは「親亡き後の課題ではなく、青年・成人期の自立課題」だと強調しました。
入所施設やグループホームなどが不足している地域の実態を交流。「自傷他害がある息子が暮らす場がなく、9年間の大半が入院生活」「グループホームを運営しているが、報酬単価のあり方をみると、国は入所施設を減らしてグループホームに重度障害者を受け入れようとしていると感じる」などの発言がありました。