2018年11月19日(月)
米東部で反核集会
運動広げ保有国に圧力を
脅威は深刻 知らせよう
【タウソン(米東部メリーランド州)=遠藤誠二】米東部メリーランド州タウソンで17日、地元の平和組織が反核集会を開き、核戦争の脅威は深刻だとして核兵器廃絶に向けて何ができるのか議論しました。
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医師・学生ら集う
主催は、同州最大都市ボルティモアの議会で8月、核兵器廃絶を求める決議採択を実現した「チェサピーク社会的責任のための医師の会」などの組織。反核・平和活動家、大学教授、医師、地元地方議員、学生ら約100人が参加しました。
全体会では、米軍備管理協会のダリル・キンボール代表、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のアイラ・ヘルファンド共同会長、婦人国際平和自由連盟(WILPF)の軍縮プロジェクト「リーチング・クリティカル・ウィル」のレイ・アチソン代表が報告しました。
キンボール氏は「米国では800の核弾頭が、1人の決定者の判断で10分以内に攻撃できる態勢にある」と述べ、この脅威を取り除くには核兵器を減らすしかないと指摘。ヘルファンド氏は「米ロ間で核戦争が起きれば、『核の冬』が地球を襲い人類は滅びる」と警告し、1980年代に起きた国際的な反核世論のうねりを再度起こす必要があると呼び掛けました。
アチソン氏は核兵器禁止条約について、「反対しているのは保有国などだ。米国はじめ保有国に参加するよう圧力をかけていこう」と訴えました。
分科会では、核軍縮にむけた今後の活動や、青年・学生に反核運動をどう広げるかを議論。「大学などの教育機関で核兵器の脅威を若い人に知らせる必要がある」などの意見が出されました。
集会は、市議会から州議会、連邦議会レベルで反核決議をあげる取り組みを強めることを確認しました。