2018年11月17日(土)
教科書の部落記述ただせ
全国人権連が政府交渉
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全国地域人権運動総連合(全国人権連)は16日、憲法を生かし、平和で人間らしく暮らせる社会の実現をめざし、部落問題への対応の是正、障害者雇用、子どもの貧困問題などについて各省庁と交渉しました。
文部科学省との交渉では、部落問題をめぐって、中学や高校の教科書で、「いまもなお同じような差別をうけつづけている」(実教出版、高校・政治経済)などの記述があると指摘。大阪府の人権連組織・民権連の代表は「今も差別されているかのような記述は、差別を助長するものだ。2002年に国の特別対策が終結したことすら書かれていない」「差別語・べっ称がなんの注釈もなく書き込まれている」と訴えました。
吉村駿一事務局次長は「これらの教科書の記述は、部落問題は社会問題としては解決の段階にある現状を反映しておらず、事実として誤りだ」と強調。「なかには先入観にとらわれた人の言動があるかもしれないが、それと社会全体とは区別すべきだ。教科書に書かれた知識が子どもたちに差別意識を広げることになる」と訴えました。
教育費の保護者負担の軽減へむけ、国庫負担の増額を求め、教員の大幅増員なども要求しました。
このほか、農林水産省、国土交通省、経済産業省、厚生労働省には、各省で行われていた障害者の法定雇用率水増しの手法を明らかにすること、相次ぐ災害での被災地の復旧・復興、被災者の生活と生業(なりわい)再建に向けた制度の拡充などを要請しました。