2018年11月16日(金)
「30年毎月家賃」 詐欺的契約で多額借金も
サブリース 法規制視野
国交省、初の調査へ
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アパートを建築させて一括して借り上げる「サブリース」契約について、国土交通省は初となる実態調査を行う方針を明らかにしました。サブリースをめぐっては業者と契約者との間にトラブルが急増。詐欺的な契約手法もまん延しており、国は業者の登録を義務付けるなどの法規制も視野に入れています。
「30年間、毎月家賃が入ります」「通帳を見ているだけでいいんです」
オーナーが所有する土地に賃貸物件を建てさせ、賃貸人に転貸しする「サブリース」。営業マンの甘言に惑わされ契約をした結果、多額の借金に苦しむ人が後を絶ちません。
消費者庁によると、全国の消費生活センターに寄せられた「サブリース」の相談件数は、2015年度が270件、16年度が332件、17年度が365件、18年度は10月23日までで225件に。「約束した家賃が入金されず、ローンが支払えない」「契約締結後、業者と連絡が取れない」などの相談・苦情が寄せられています。
契約トラブルは中小業者に限らず、業界大手でも起き、全国で訴訟にもなっています。
日本弁護士連合会は2月、サブリースは「顕著に問題が生じやすい」として、「規制の整備は喫緊の課題である」とした意見書を出しています。
野放し許されない
宮本岳志議員
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私は大手サブリース業者の「レオパレス21」の問題を2013年に国会で初めて質問して以来、数回にわたり取り上げてきました。サブリース業者の登録を義務化し、監督責任を果たせと国交省に迫ってきました。
今回、業者の実態調査や法規制の検討にまで追い込んだのは、党国会議員団の論戦と、「サブリース業者は社会的責任を果たせ」と声を上げたオーナーのたたかいの成果です。
今年になって、サブリースの問題はさらに拡大しています。サブリース業者「スマートデイズ」の経営破綻により、オーナーへの家賃支払いが停止した事件は、スルガ銀行の不正融資事件にまで拡大しました。
レオパレス21では、オーナーからの告発で同社のアパートに防耐火や遮音性に関する違法建築がみつかりました。その数は、国交省の報告によれば10月末現在で595棟。空前の違法建築事件です。
これ以上、問題だらけのサブリース業者を行政が野放しにすることは許されません。わが党が一貫して求めてきたように、サブリース業者の法規制に踏み出すべきです。