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2018年11月7日(水)

性暴力被害者支援 夜間・休日コールセンター

1社が独占 独自運営自治体には交付金減

本紙調べ

 性暴力被害者の相談と心身のケアを行う「ワンストップ支援センター」を24時間体制で運営している都府県のうち、夜間・休日を民間コールセンターに委託している県が2017年度36%から18年度53%に増え、受託先が同一企業に集中していることが本紙の取材で分かりました。

 性暴力被害は昼夜を問わず起きており、被害者支援の24時間化が急がれています。同時に、被害を受けた人に対し、警察や医療機関に付き添う支援ができるように夜間・休日も複数の体制が必要です。そのための国の財政支援が伴わず、夜間・休日をコールセンターに依存する県が増えています。

 独占的受託先となっているのは東京都千代田区に本社のあるダイヤルサービス(今野由梨社長)です。本紙が情報公開請求で入手した資料によると、委託料の積算表で賃金が0・4人分で算定されています。非営利団体に委託したのち、夜間・休日業務を同社に再委託している県もあります。

 内閣府男女共同参画局は、委託先が1社に集中していることを認めた上で、「国が主導しているわけではない」としています。ただ、男女共同参画局作成の報告書(16年3月)で「夜間・休日の相談受付業務委託」の事例を掲載しており、「国のモデル」のように伝わった可能性はあるとしています。

 ダイヤルサービス社への委託は、国の「性犯罪・性暴力被害者支援交付金」創設とともに広がりました。同社への委託は交付金創設の17年度4県、18年度8県。委託料の半分が県費、半分が国の交付金です。情報公開文書によると委託料として同社が受け取る17年度の交付金は4県で800万円です。

 一方、非営利団体・県が24時間運営している自治体への国の交付金は17年度に比べ18年度は比較可能な5都県で計1100万円減っています。本来なら国の補助率は2分の1ですが、実際には5分の1程度となっている都県もあります。

図

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