2018年11月4日(日)
障害者の幸せ・平和考えた
大好き憲法 未来へ
公布72年 集会
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日本国憲法公布から72年となる3日を前に、日本障害者協議会(JD)は2日、憲法から障害者の幸せと平和を考え合おうと東京・憲政記念館で、集会を開きました。参加者は、戦争がなく、人権と民主主義が守られ、おびえたり飢えたりすることなく安心して暮らせる社会のよりどころとなる「私たちの憲法を守り、未来につなげていきましょう」とするアピールを採択しました。
JDの増田一世常務理事は、安倍首相の改憲をめぐる動きにふれ、「憲法と私たちの暮らしを照らし合わせるとその大切さが実感できる。憲法と障害者権利条約を身近なものにしていこう」とあいさつしました。
シンポジウムでは、身体障害者、知的障害者、聴覚障害で性的少数者、きょうだいが障害者などさまざまな人たちが、それぞれ好きな憲法の条項について語りました。全国精神障害者団体連合会の佐藤真智子さんは「憲法は人権を尊重するというけど、精神障害者の人権は守られているのか」と訴えました。
視覚障害のある織田津友子さんは、自身が所属する東視協が、安倍首相の狙う9条改憲反対の署名を点字で集めていることを紹介しました。
「憲法13条(個人の尊重)を知ったとき、私にもそんな権利があるの?と驚き、感動した」と語ったのは、西田えみ子さん。幼少時に難病「1型糖尿病」を発症しました。医療が欠かせず就労するのも困難ですが、難病医療費助成の対象外で障害者手帳も交付されません。障害年金の不支給決定を不服として提訴したと述べ、「社会保障をこれ以上切り下げられないようたたかっていきたい」と力を込めました。
JDの藤井克徳代表は、相模原市の障害者施設での殺傷事件や旧優生保護法下での強制不妊手術、官公庁の障害者雇用水増し問題などこの間、相次ぐ障害者をめぐる事件の根底に「障害者排除がある」と指摘。障害者を取り巻く状況からは、「憲法が守られていない。国会では改憲の動きが強まっているが、むしろ今はまだ、憲法を守(りその理念を実現す)る段階だ」と強調しました。
ハンセン病回復者の平沢保治さんがビデオメッセージで、戦争とハンセン病を語りました。
フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、自身が取材を重ねるカンボジアやシリア、岩手県陸前高田市での人々との出会いに関して、憲法をキーワードに講演しました。
野党各党の国会議員が参加。日本共産党からは、倉林明子参院議員が参加しました。