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2018年11月3日(土)

核廃絶決議

日本案を米仏棄権

禁止条約推進国からも批判

 【ワシントン=池田晋】ニューヨークの国連本部で開かれている第73回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障)は1日、日本提出の「核兵器廃絶」決議案を賛成160、反対4、棄権24で採択しました。昨年の同委員会の採決と比べ賛成が16増え、棄権が3減りました。しかし核兵器禁止条約の推進国から批判の声があがる一方、昨年賛成した米仏が棄権に回り、核保有国と非保有国との「橋渡し」を務めるという日本政府のアプローチの限界を露呈しました。

 決議案は、昨年と同様、核兵器禁止条約について一切言及していません。さらに昨年、核使用を人道上容認しうるような文言修正だと批判の上がった表現を今年も維持。これまでの核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意されてきた措置の履行について、「世界的安全保障の進展を十分に考慮しながら」との前提条件を加えました。

 ブラジルは、昨年の日本の決議案の文言が失望すべきもので、後退だったとした上で、今年の決議案も「同じ方向にさらに踏み込むものだ」と指摘。禁止条約への言及がないことをあげ、棄権すると説明しました。

 オーストリアは、決議案の文言が過去のNPT再検討会議で合意された表現から「逸脱」していると批判。合意された措置の履行を安全保障環境の「条件付き」にすることは容認できないと厳しい姿勢を示しました。

 一方、昨年は賛成した米国も、今年の案は現在の安全保障環境に合わず「後退」だと主張し、棄権しました。


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