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2018年11月1日(木)

主張

代表質問首相答弁

「真摯」や「丁寧」は言葉だけだ

 安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が衆参両院で行われました。日本共産党の志位和夫委員長は衆院で、山下芳生副委員長は参院で、沖縄基地、消費税、憲法、災害、原発、政治姿勢など焦点課題について首相の認識をただすとともに、問題打開の道を提起しました。ところが首相は、理を尽くした指摘に耳を貸さず「当たらない」を連発、まともに答えません。「真摯(しんし)」や「丁寧」は言葉だけです。政治の破綻を認めず、居直りしかできない首相にもはや政権は任せられません。

「当たらない」連発の異常

 国民の声を無視し強権を振りかざす安倍政権の異常さを示す最たるものが、沖縄・辺野古の米軍新基地建設をめぐる強硬姿勢です。9月の知事選で玉城デニー氏が圧勝し、新基地反対の県民の意思が明確に示されたというのに、安倍政権は、県による埋め立て承認撤回を「執行停止」する無法な決定を行うなど対話解決を拒み、民意をかえりみようとしません。

 なにが「沖縄のみなさんの心に寄り添う」か―。志位氏が、民主主義も法治主義も無視するやり方を厳しく批判すると、首相は理由も示さず「指摘は当たらない」「必要な措置」と繰り返し、無法行為への反省はありません。選挙結果を「真摯に受け止め」「丁寧に説明する」という首相の発言が口先にすぎないことは、いよいよ浮き彫りです。

 来年10月実施を狙う消費税10%への増税についてはどうか。志位氏は、2014年に強行した8%増税が招いた深刻な消費不況の影響がいまも続く中で、5兆円もの増税を強行すれば、日本経済に破滅的影響を及ぼすこと、政府の言う臨時給付金などの「経済対策」がいずれも過去失敗ばかりだったことなどを具体的な事実を示し、「増税中止」を迫りました。ここでも首相は「あらゆる施策を動員し経済に影響を及ぼさない」と強弁するだけで、真面目に議論する姿勢をみせません。社会保障と子育て・教育の財源確保へ、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革にこそ取り組むべきです。

 政治的中立を最も厳格に求められる実力組織・自衛隊の幹部会同や観閲式で、9条改憲推進を事実上宣言するなど首相の常軌を逸した暴走は、改憲の中身以前の大問題です。閣僚の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条に反することなどを挙げ、「立憲主義の乱暴な否定であり、憲法の私物化そのもの」と追及した志位氏に、首相は「全く当たらない」と開き直りました。憲法を守らない首相に憲法を語る資格がないことは明らかです。

モラルも崩壊、退陣せよ

 被災地に切実な生活再建支援法改定も首相は後ろ向きです。山下氏が取り上げた原発頼みのエネルギー政策からの転換、外国人労働者の権利保障、日米経済交渉などの課題でもまともに答えません。

 「森友・加計」問題では、財務省の改ざんなどの発覚は今年なのに、首相は昨年の総選挙で「審判を仰いだ」という暴論に固執しました。問題を続発させた財務省の最高責任者・麻生太郎財務相を改造人事で留任させたことへの反省も皆無です。政治モラルの崩壊はますます深刻です。

 民意に逆らい暴走を続ける戦後最悪の安倍政権を一刻も早く終わらせることが求められます。


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