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2018年10月25日(木)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が24日、臨時国会開会にあたって開かれた国会議員団総会でおこなったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=24日、衆院第2議員会館

 みなさん、おはようございます。連日のご奮闘に心からの敬意を表します。臨時国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。

 先日の第5回中央委員会総会では、安倍政権があらゆる面で大破たんに陥っていることを明らかにし、「一刻も早くこの内閣を終わらせよう」という決意を固めあいました。

 5中総決定を存分に生かして、この国会では、戦後最悪のこの内閣を一刻も早く終わらせる、それに向かって大きく駒を進める国会にしていこうではありませんか。(拍手)

安倍政治の四つの破たん――徹底追及の論戦を  

 私は、三つの点を強調したいと思います。

 第一は、安倍政治の破たんを徹底追及し、浮き彫りにする論戦に全力をあげようということであります。

 5中総決定では、安倍政治の四つの破たん――「強権政治の破たん」、「ウソ、隠ぺい、差別の政治の破たん」、「『戦争する国づくり』の破たん」、「経済、外交の総破たん」を明らかにしました。もはや満身創痍(そうい)、「攻めどころ満載」の政権ではないでしょうか。それぞれについて、徹底追及の論戦の先頭に立って奮闘したいと思います。

沖縄県知事選など3連勝――新基地反対の民意はこの上なく明確に示された

 安倍政治の破たんがもっとも劇的に表れたのが沖縄であります。

 この間、安倍政権は、政権の総力をあげて沖縄県民の民意を押しつぶす攻撃に血眼になりましたが、沖縄県民は見事にそれをはね返しました(拍手)。沖縄県知事選挙での玉城デニー候補の歴史的圧勝に続き、豊見城市長選、那覇市長選と、「オール沖縄」勢力が鮮烈な3連勝を勝ち取りました(拍手)。辺野古新基地を中止せよ、普天間基地は閉鎖・撤去という県民の総意が、この上なく明確な形で示されました。この勝利を、ともにたたかった日本共産党国会議員団としても心から祝福し、喜びあいたいと思います。(拍手)

「こうも簡単に見捨てるのか」――自民党は崩壊的敗北に追い込まれた

 自民党は、崩壊的敗北という状態です。

 那覇市長選挙の終盤の17日、政府は、行政不服審査法を悪用した無法な手口で、名護市辺野古の埋め立て承認撤回への対抗措置を打ち出しました。県民の怒りがいよいよ沸騰し、那覇市長選での自公惨敗という結果になりました。那覇市長選挙で敗れた相手候補は引退に追い込まれ、自民党県連会長は辞任に追い込まれました。

 沖縄タイムスは、自民党県連関係者が「これまで政府とのパイプ役を担ってきた翁長(政俊)氏を、こうも簡単に見捨てるのか」と述べたと報じています。自分たちの仲間をも劣勢を見越して切り捨てる。安倍政権がいかに追い詰められ、深刻な破たんに陥っているかを象徴する姿ではないでしょうか。

沖縄への強権政治をあらためよ――「オール沖縄」と連帯した論戦を

 ただ、安倍政権はどんなに破たんしても、辺野古新基地建設をあきらめようとしていません。菅義偉官房長官は22日の会見で、那覇市長選の結果について問われ、「結果を受け止めることが大事だ」と述べながら、同じその口で、「辺野古移設が唯一の解決策という考え方に変わりはない」と言い放ちました。一つの答弁のなかで、これだけ矛盾したことがよく言えたものだと思います。

 私は、いまからでも行政不服審査法を悪用した無法行為は取り下げよということを強く求めます(拍手)。そして、民意無視の強権政治は沖縄にはもはや通用しない、これをあらためることを強く求めます。沖縄県民の方を向いて基地を押し付けるのではなくて、アメリカの方を向いて、沖縄県民の総意を代表して交渉するのが日本政府の役目だということを、強く言いたい(拍手)。この国会では、あらゆる機会で「オール沖縄」に連帯した論戦を展開したいと思います。

統一地方選、参院選を展望し、改憲、増税反対の攻勢的たたかいを

憲法を守らない首相に、憲法を語る資格なし――水際で改憲策動を撃退しよう

 第二は、来年の統一地方選、参院選を展望して、国民的大争点になる問題で、攻勢的なたたかいを展開しようということです。

 その最大の焦点となるのが憲法問題です。

 安倍首相は、この国会に自民党の改憲案を提案することを公然と宣言しています。9条に自衛隊を書き込み、海外での武力行使を無制限にすることがその眼目ですが、そうした中身以前の大問題があります。それは、安倍首相の改憲策動が、日本国憲法も立憲主義も無視した常軌を逸した暴走となっているということです。中身以前に、やり方が憲法違反だということです。この点を徹底的に追及し、改憲策動をいわば水際で撃退する、そのために全力をあげたいと思います。

 とくに、自衛隊に向かって改憲の号令をかけるというのは論外の暴挙であります。9月の自衛隊高級幹部会同、10月の自衛隊記念日観閲式で、安倍首相は公然と9条改憲の持論を述べました。政治的中立性がもっとも厳格に守られるべき実力組織を前に、その最高指揮官が改憲の号令をかける。それがどんなに危険で異常かは明らかです。そして、閣僚に憲法の尊重・順守を義務づけた憲法99条に明々白々に違反していることも明らかではないでしょうか。憲法を守らない首相に、憲法を語る資格なし。私は、このことを強く言いたいと思います。(拍手)

 そしてもう一つ、この間のどんな世論調査を見ても例外なく出ている結果があります。それは、この国会に自民党が改憲案を提出することは反対だという声が、国民の多数の声になっているということです。例外がありません。国民多数が反対しているもとで、政権・与党が無理やり改憲を進めるのは、憲法の私物化というほかないではありませんか。

 憲法を守らない首相に憲法を語る資格なし。この立場に立って、わが党は、この国会で衆参両院での憲法審査会を動かすことには断固として反対――この決意で頑張りぬきたいと思います。(拍手)

「来年10月の10%増税反対」の一点で大同団結し、中止に追い込もう

 いま一つは消費税問題です。

 安倍首相は、来年10月からの消費税10%への増税を予定どおり行うと宣言しました。この動きに対して、私たちは、あらゆる角度からその問題点を追及し、「来年10月からの消費税10%に反対」――この一点でのもっとも幅広い国民的共同をつくるために全力をあげたいと思います。

 何よりも、現在の経済情勢との関係で、増税をかぶせたらどうなるか。こんな消費不況が続くもとで増税を強行すれば、日本経済に破壊的な打撃になるのではないか。この点を追及します。

 政府が打ち出した「景気対策」なるものの矛盾が早くも噴き出しています。中小の小売店での「ポイント還元」に対して、すでに批判ごうごうじゃないですか。景気対策というなら増税中止が一番の対策ではないでしょうか。

 複数税率導入にともなって、インボイス制度を導入することに対しても怨嗟(えんさ)の声が広がっています。500万を超える免税事業者にとって大打撃となり、中小企業関係の諸団体がこぞって強く反対しています。

 さらに、安倍政権になって大企業には4兆円も減税をばらまきました。それをやっておいて、その穴埋めに庶民から5兆円の増税を搾り上げるのか。この「逆立ち」した姿勢に対しても、批判が広がっています。

 いろいろな問題点がある。この問題も「攻めどころ満載」です。いろいろな角度から問題点を明らかにして、税金・税制のあり方に対する態度はさまざまであっても、「来年10月からの10%増税には反対」――この一点での国民的な大同団結をつくる、それに資する論戦をやっていこうではありませんか。

 私たちの目標は、消費税増税を中止に追い込むことです。国民運動とともに選挙での審判で中止に追い込むことです。安倍首相がなぜ1年前というこの段階で10%の宣言をしたのか。それは、これを既成事実にして、国民に諦めさせるためです。しかし、諦める必要はない、統一地方選挙と参議院選挙で自民党を大敗に追い込めば、増税中止に追い込むことは十分に可能であります。そのことを展望して攻めに攻める論戦を展開しようではありませんか。(拍手)

災害対策――被災者支援の抜本的強化、従来の延長線上でない取り組みを       

 この国会は、この間起こった豪雨、台風、地震など災害への対策が問われます。東日本大震災以来のたびかさなる災害によって、今なお苦しい避難生活を強いられている被災者が多数おられます。そうした被災者に寄り添って、生活と生業(なりわい)の復興のための支援策の抜本的強化を求めていきます。

 同時に、5中総決定では、この問題でも新しい問題提起をしています。この間の自然災害の多発は偶然ではなく、背景に、地球規模での気候変動、日本列島の地震活動の活発化があることが指摘されています。そういうもとで、公共事業のあり方、観測・避難体制、地域の防災力、医療・介護の体制、被災者支援など、さまざまな角度から、専門家の英知を結集し、国民の命を守るために、従来の延長線上ではない災害対策の抜本的強化を行うことを提唱いたしました。この立場に立った取り組みも、国会内外で大いに進めていきたいと考えています。

国会のたたかいを通じて、市民と野党の共闘の発展を

 第三は、この国会のたたかいを通じて、市民と野党の共闘をさらに発展させようということです。

野党の共通政策を、国会活動を通じてさらに豊かなものに

 政権・与党の暴走と対決する国会共闘を発展させるとともに、国会活動を通じて、野党の共通政策を豊かに発展させることを追求したいと思います。

 その点で注目していただきたいのは、5中総が打ち出した「平和のための五つの緊急提案」と「暮らし第一で経済を立て直す五つの改革」です。ここで打ち出した内容は、よく野党間で話し合えば、かなりの部分が野党の共通政策になりうるのではないかと考えています。そういうつもりで、こういう提起をまとめあげました。

 この間、原発ゼロ、沖縄米軍基地問題などで、野党共闘の政策的一致点が広がってきたことは大きな前進です。その上に立って、野党の共通政策を国会活動を通じてさらに豊かなものにする努力を、大いに払っていきたいと思います。

統一地方選、参院選勝利に道を開く国会にしていこう

 参院選における野党共闘については、5中総で「政党間の真剣な協議を開始しよう」と呼びかけました。それを受けて小池晃書記局長が、4野党・1会派の幹事長と会い、その趣旨を申し入れました。それぞれ真剣に受け止めてくれたとのことです。これから具体的な協議というところにぜひ進めたい。市民連合の皆さんとも協力しつつ前に進むように最大限の努力を傾けていきたいと思います。

 以上3点にも留意して、この国会を元気いっぱい、たたかいぬきたいと思います。衆参の国会議員団のみなさんが健康にも留意されて、日本共産党国会議員団ならではの大奮闘を行い、参院選での市民と野党の共闘の勝利、そして統一地方選と参院選での日本共産党の連続躍進に道を開く国会にしていこうではありませんか。そのことを訴えまして、ごあいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)


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