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2018年10月3日(水)

安倍カジノ 実行段階へ

管理委100人体制60億円

巨大な利権事業に血税投入

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(写真)大阪市内で開かれたカジノ見本市で米国のカジノ事業者の説明を受ける松井一郎大阪府知事(右から2人目)=4月

 刑法が禁じる賭博場・カジノを合法化するカジノ実施法を強行成立させた安倍晋三内閣は、カジノの統制にあたる「カジノ管理委員会」の開設予算を約60億円、100人体制とすることを要求しました。日本社会に大きな害悪をもたらす“安倍カジノ”は、多大な税金と人員のムダ遣いを伴いながら、危険な実行段階に入っています。(竹腰将弘)

 安倍内閣と自民、公明、維新が強行成立させたカジノ実施法は、カジノ設置・運営にあたる規制機関として内閣府の外局に置く独立した行政組織であるカジノ管理委員会を置くと定めています。

 内閣府は来年度の予算概算要求で、カジノ管理委員会の設立準備に7億4000万円、同委員会の運営に52億5400万円、計59億9400万円を財務省に要求しました。すべて新規予算であり、安倍内閣の方針に従った「新しい日本のための優先課題推進枠」とされています。

肥大化は必至

 内閣人事局が発表した来年度の定員要求では、カジノ管理委員会の新設に伴う体制整備として職員95人の配置を要求。国会同意人事となる5人の委員と合わせ100人体制での発足となります。

 これはあくまでも発足時のもので、カジノを設置している諸外国の例をみると、シンガポールのカジノ規制機構の職員数は約160人、米・ネバダ州では同様の委員会で402人です。新設されるカジノ管理委員会が今後さらに肥大化することは必至です。

 政府は2019年7月1日付でカジノ管理委員会を発足させるというスケジュールを描いています。

 その後、カジノを所管する国土交通相がカジノ基本方針を策定し公表。カジノ実施法が331項目もの問題を政省令やカジノ管理委員会規則で定めるとしたため不明だった日本のカジノ制度の全ぼうが、ここで初めて判明します。

 続いて、カジノの誘致に名乗りをあげる地方自治体(都道府県・政令指定都市)がその地域でのカジノ実施方針を策定。パートナーとするカジノ事業者を決め、地域のカジノ整備計画を国に申請します。

 21年には全国で3カ所とされるカジノ立地地域が決定され、24年ごろにはカジノ開業というのが政府や推進自治体、カジノ事業者のもくろみです。

接触が活発化

 カジノは巨大な利権事業であるために、これらのすべての過程は「公正・中立」な手続きで行うとうたっています。

 カジノ誘致に名乗りをあげている自治体では「投資意向調査」などの名目でカジノ事業者などとの接触が活発化しています。

 すでに特定事業者との癒着が疑われる案件もあり、今後多くの問題が浮上する可能性があります。


安倍カジノ 想定スケジュール

 2018年7月20日 カジノ実施法成立

 誘致自治体とカジノ事業者の接触活発化

 2019年7月1日 カジノ管理委員会発足

 国土交通大臣がカジノ基本方針を発表

 誘致自治体が実施方針決定。カジノ事業者の公募・選定

 2020年 国がカジノ区域整備計画の認定申請受け付け

 誘致自治体、カジノ事業者とともにカジノ整備計画を申請

 2021年 国土交通大臣がカジノ開設地区を認定 国内3カ所

 カジノ管理委員会がカジノ免許を付与

 2024年ごろ カジノ施設開設


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