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2018年9月17日(月)

主張

高齢者と災害

命を守る仕組みづくり万全に

 きょうは「敬老の日」です。人生を重ねてきた方々に感謝するとともに、お祝いを申し上げます。

 安心して長生きできる社会をつくる上で、切実な課題の一つは、災害から高齢者を守る仕組みや体制を整備することです。北海道地震や台風21号、西日本豪雨など相次ぐ大規模災害で犠牲になった方々の多くは高齢者です。発生から7年半たった東日本大震災では、避難生活の長期化などで、お年寄りが亡くなっています。防災・避難体制づくりの中で、高齢者をはじめとする支援が必要な人への対応をしっかり位置づけ、備える政治の役割が不可欠です。

自力避難が難しい高齢者

 災害から高齢者を守るために、とりわけ重要なのは、安全な場所に、一刻も早く避難できる仕組みをつくっておくことです。体の自由がきかなくなった高齢者は避難に時間がかかります。足腰が弱まり、自力で安全な場所に移動できない人も少なくありません。

 西日本豪雨がもたらした浸水被害で、岡山県倉敷市真備町では多くの人が犠牲になりましたが、高齢者が大多数でした。夜間、浸水が急速に広がったため、1階の寝室などにいた足の悪い1人暮らしのお年寄りたちが上の階に逃げられなかったとみられます。

 東日本大震災の犠牲者でみても、岩手、宮城、福島3県では、亡くなった方の7割近くが60歳以上でした(2018年の高齢社会白書)。高齢者をはじめ障害者、子どもなど特に支援が必要な人がいち早く避難できるよう、具体的な仕組みを整えることは待ったなしです。

 町内ごとできめ細かく対応できる計画を住民の知恵などを取り入れてつくり、確実に実施できるよう日常的に点検・強化していくことが重要です。地域の危険を示すハザードマップの作成・周知の際も、避難の仕方と合わせ住民に丁寧に説明することが求められます。河川の近くに高齢者施設がある場合、入所者の安全確保策づくりも必要です。スマホなどから情報を得にくい高齢者もいます。危険が迫っている時、正確な情報を迅速に伝える体制整備も欠かせません。国や自治体は、地域の防災力を高めるための支援・援助をすすめるべきです。

 災害で助かった高齢者の命が、避難生活の中で失われることがあってはなりません。慣れない避難生活を強いられることは、全ての被災者にとって厳しいものですが、環境変化の影響を受けやすく、体力も衰えている高齢者にとっては、とりわけ深刻です。東日本大震災では、避難生活などで亡くなった「災害関連死」の死者の88%が66歳以上という痛ましい事態です。被災者支援では、お年寄りの心身の健康を保つ取り組みを、特別に重視することが大切です。

全ての人の安全につなげ

 今年の夏は、記録的猛暑で多くの高齢者の命が奪われました。熱中症で亡くなったのは、1人暮らしのお年寄りだけでなく高齢夫婦のケースもありました。高齢者世帯を孤立させないため、地域で「見守り」を積極的にすすめるなど工夫をこらした活動を強めることが求められます。

 高齢者の安全が守られ、安心して暮らせる社会をつくることは、子どもや障害者をはじめ、すべての国民の安全と安心を保障する大きな土台にもなります。


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