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2018年9月2日(日)

“歴史忘却許さない”

関東大震災95年 都知事の対応批判

朝鮮人虐殺の追悼式典 東京・墨田

小池書記局長メッセージ

写真

(写真)犠牲者への追悼と、北東アジアの平和を前進させる決意を語った原田都議=1日、東京都墨田区

 関東大震災から95年となる9月1日、震災時に流言によって、軍や警察、自警団などによって虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典(主催は同実行委員会)が東京・墨田区の横網町公園で行われました。式典は犠牲者の追悼と、アジアの平和と安定に寄与することを目的に毎年開かれています。

 日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長は、小池百合子都知事が昨年に引き続き、歴代の都知事が出してきた追悼の辞を送付しなかったことを批判しました。知事の姿勢に市民の抗議が広がり、短期間に集めた約9500人分の署名を知事に届けましたが拒絶されたことを紹介。虐殺の背景には支配者意識・差別意識があったと指摘し、「同じ過ちを犯さないため、悲惨な虐殺で尊い命が奪われたことを忘れてはならない。小池都知事が立ち止まって式典の意味を見つめることを求める」と訴えました。

 日本共産党の原田あきら東京都議が参加し、天災による犠牲者と虐殺による犠牲者を同一視する小池都知事の姿勢は「虐殺、加害の歴史を風化、忘却させるもので許されない」と批判。史上初の米朝首脳会談など、北東アジアの平和の流れを前に進める決意を表明しました。

 日本共産党の小池晃書記局長・参院議員が追悼のメッセージを寄せました。小池氏は「震災に乗じた民族差別に基づくデマに扇動された人の手で命が奪われた歴史的事実を、覆い隠すことは許されません」と述べ、過ちの歴史を教訓に二度と繰り返さない決意を表明しています。

 韓国無形文化財の舞踏家、金順子(キム・スンジャ)さんが「鎮魂の舞」を演じました。例年より多い700人の参加者は黙とうし、献花しました。

 式典に参加した在日3世の男性(23)=江戸川区=は「過去の侵略・加害の歴史に公人がどういう認識を示すかは、東アジアの平和に関わる問題で、知事の姿勢は残念」と話しました。


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