2018年8月26日(日)
「自己肯定感育む愛を」
登校拒否・不登校問題IN大阪
全国のつどいに600人
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「第23回登校拒否・不登校問題全国のつどいIN大阪」が25日、大阪市で始まりました。同集会は、実行委員会と「登校拒否・不登校問題全国連絡会」が主催となって、毎年開催されています。全国から学校に行けない子どもたち、親や教師、研究者ら約600人が集まりました。
実行委員長の福田敦志大阪教育大学准教授が「それぞれの思いを語り、耳を傾け合う2日間にできたらすてきだと思います」とあいさつしました。
心理臨床家の高垣忠一郎氏が「いのちと自己肯定感は愛で育つ」と題して、記念講演。競争社会の日本で、多くの子どもたちはおとなから一方的に評価され、周囲と比較されて、自信を失い、不安に駆られています。高垣氏は「自己肯定感を高めるという言い方がされていますが、存在まるごとを肯定するのが自己肯定感です」と述べ、「自己肯定感を育むには、比較や評価ではなく愛が必要です。子どもたちの心に愛をいっぱい吹き込みましょう」と訴えました。
中学1年生の息子が不登校になっていると話す女性(50)=東京都品川区=は、初めてつどいに参加しました。「息子がどういう気持なのかを理解し、どう接すればよいかを知りたいです。このつどいがそのきっかけになればと思います」と言いました。
初参加した3人の女児の母親(37)=大阪府吹田市=は、小学校に通う上の2人の子どもが学校に行けなくなりました。「何が起こったのかわからなくて、しばらく休んでから付き添って学校に行くようにしましたが、昨年の2学期から全く登校できなくなりました。上の子は、先生が他の子を怒る声や教室の緊張感が怖いと言います。記念講演を聞いて、すごく気持ちがあたたかくなり、ほっとしました」と語りました。
「つどい」は26日までで、基礎講座、特別講座、12の分科会が開かれます。
情緒安定する生活心掛けて
特別講座「登校拒否と発達障害」での臨床発達心理士の服部ただしさんの話 こだわりの強さや、対人関係の苦手さなどの発達症そのものが障害なのではなく、成長発達の過程や環境によって障害となる可能性が高くなります。発達症の子どもが不登校になってしまう原因は、その多くが周囲に理解されなかったり、いじめに遭ったりすることです。本人の努力不足や怠慢だといわれ、さらにつらい思いをすることもあります。
生まれつき視力がよい子どもの場合、細かなものがよく見え、特定のものに興味をもち、細部にこだわり全体像をつかむのが難しいなどの特徴により、親の顔の表情の理解が難しく社会性の獲得が困難になることもあります。
一番大切なことは当事者に情緒の安定した生活を送らせることです。親子げんかを減らすように心掛け、問題行動を起こす時以外にもその子と関わるようにしましょう。そして問題が起きていない平穏な時に、温かい気持ちで話し合うことがとても大事です。