2018年8月11日(土)
韓国に「慰安婦」問題研究所
記録を調査・整備
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韓国の女性家族省は10日、「慰安婦」問題の体系的な研究をすすめ、国際研究の中心的な役割を果たすための「日本軍慰安婦問題研究所」をソウル市内の韓国女性人権振興院内に設立し、開所式を行いました。所長には、慶北大学法科大学院の金昌禄(キム・チャンロク)教授が就任しました。
研究所は、国内のさまざまな民間機関や博物館などに散らばっている「慰安婦」関連の記録物を調査しデータベース化することや、特別に価値が高い資料は「国家記録物」の指定を受けられるよう支援する計画です。
いままで発掘された日本や中国、東南アジアの資料も調査、保存方法を検討しています。歴史的意義の大きい資料はウェブサイトに掲載し、閲覧できるようにします。また、被害者や活動家から聞き取りをした内容を翻訳し出版したり、シンポジウムを開催したりしていく予定です。
鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)女性家族相は9日、「将来の世代が歴史を正しく理解し、過去の過ちが繰り返されないよう教訓を得るには、これまでの研究成果を総括し、今後の研究を体系的に進めることが重要だ」と強調しました。
10日の開所式では「戦争と女性の人権、平和の問題は日本政府と共に追求し、解決しなければならない問題。日本政府とはこうした問題を今後、議論しながら解決していくよう努力したい」と語りました。
所長を務める金昌禄教授の話 まずは研究所の旗をたて、小さな一歩を踏み出すことができた。資料を体系的に収集、整理するなどして、世界に発信していきたい。韓国ではこれまで、「慰安婦」問題の解決に向け、30年近い運動と努力が行われてきた。その過程で、「女性の人権と平和」という新たな価値を作り上げることができたと思う。これまでの努力を土台とし、研究・調査を通じて、より普遍的な人権と平和の問題を研究し、発展させていきたい。
(栗原千鶴)