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2018年8月3日(金)

杉田議員「生産性」発言 自民、世論に押され「指導」

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員がLGBT(性的少数者)のカップルについて「子どもを作らない、つまり生産性がない」との見解を月刊誌に寄稿した問題で、同党は2日までに、「LGBTに関するわが党の政策について」と題する党見解をホームページに掲載しました。

 党見解は、性的指向・性自認に関する自民党の「基本的な考え方」(2016年発表)に触れ、「性的な多様性を受容する社会の実現を目指」すとし、そのための「議員立法の制定」の取り組みを紹介。

 杉田氏の寄稿内容については「個人的な意見」とした上で、「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実」とし、杉田氏に対し「十分に注意するよう指導した」と述べています。

 安倍晋三首相(自民党総裁)も同日、視察先の宮城県で記者団に「人権が尊重され、多様性が尊重される社会を作っていくのは当然のことだ。政府・与党の方針でもある」と述べ、杉田氏の対応は不適切だったとの認識を示しました。

 杉田氏は同日夕方になって、事務所を通じ、「真摯(しんし)に受け止め、今後、研さんに努めてまいりたい」とのコメントを出しました。しかし、謝罪や寄稿撤回の言葉はありませんでした。

問題への無理解露呈の自民見解

 自民党と安倍首相は当初、杉田氏の寄稿を黙認していました。しかし同党本部前での5000人の抗議(7月27日)など世論の批判に押され、見解を発表せざるを得なくなった形です。

 杉田氏の寄稿内容は、自民党見解が述べた「配慮を欠いた表現」どころではありません。杉田氏は「子どもを産むこと」を国家にとっての「生産性」と捉え、性的少数者は「生産性」がないから税金を使うなと主張。「個人よりも国家」という国家主義に基づき、一人ひとりが自分らしさや生き方を選び取る自己決定権を否定して性的少数者の尊厳を傷つけました。同時に子どもを産むかどうかを決める女性の自己決定権も攻撃したのです。「配慮を欠いた」などとして杉田氏による差別を認めない自民党見解は、問題についての無理解を露呈しています。

 自民党見解は、子どもを産むことを「生産性」と捉える杉田氏の国家主義的な発想について、何ら批判していません。同党幹部が「子どもを産まない方が幸せじゃないかと勝手なことを考える人がいる」(二階俊博幹事長、6月)と発言するなど、自民党自体に「個人よりも国家優先」の体質があることの表れです。

 自民党の性的少数者に関する「基本的な考え方」は「いじめや差別などの対象とされやすい現実もあり」と指摘し、当事者の困難解決に向けた取り組みを提言しています。杉田氏の寄稿はこの点も含め党の「考え方」に真っ向から反しています。

 杉田氏の考えは、憲法の「個人の尊厳」を根本から否定するもので、議員の資質にかかわります。まず杉田氏は自らの寄稿内容について謝罪・撤回すべきです。同氏のコメントは謝罪とはいえず、今後も同じ態度ならば辞職すべきです。自民党、安倍首相の責任が極めて重く問われています。

 (日隈広志)


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