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2018年8月2日(木)

医療・介護、今月から負担増

利用抑制、状態悪化招く恐れ

 安倍政権は8月1日から、高齢者が医療・介護サービスを利用した際の自己負担を一部引き上げました。現役世代の負担との「公平化」などと言いながら、老いにも若きにも連続負担増を押し付けてきた流れの一環で、「負担増先にありき」の姿勢が厳しく問われます。

 医療費の窓口負担が過重にならないように月ごとの上限額を定めた「高額療養費制度」で、70歳以上の上限額を引き上げ、年収370万円未満で住民税を課されている1270万人は、通院医療費の上限額が月4000円増の1万8000円になりました。昨年8月に続く引き上げで、同月以前の上限額と比べ計6000円増の1・5倍にはね上がっています。

 年収370万円以上の170万人は「現役並み」の収入だとして、月5万7600円に設定していた通院時の負担上限を廃止。入院と合わせた世帯上限額を年収ごとに現役世代の区分と同じ三つに分けたうえで、年収770万円未満では、通院だけの利用でも世帯上限額の基準が月8万100円になりました。

 現役世代との“公平化”といっても、高齢者の方が病気にかかりやすいため、負担増で生活がより圧迫されます。しかも、安倍政権は、4月からは一般病床などに入院した際の食事代を現役世代も含め1食360円から460円に値上げしました(低所得者は除く)。値上げ分は1カ月で9300円にもなります。全世代に負担増を押し付けているのが実態です。

 介護では、サービス利用者の自己負担割合(原則1割)を、「現役並み」の収入がある65歳以上について2割から3割に引き上げました。2015年8月からの2割化に続く引き上げで、単身では年収340万円以上、夫婦世帯では年収463万円以上の約12万人に適用されます。原則2割負担への“突破口”にされかねないと懸念されています。

 また、3割負担の利用者のうち、介護保険料が払えず2年以上滞納した人について4割負担に引き上げるなど罰則を強化しました。

 40歳から徴収される介護保険料は、現役世代も高齢者も繰り返し値上げされてきました。65歳以上の場合、18~20年度は月平均5869円となり、2000年の制度開始時から約2倍に引き上げられています。

 医療でも介護でも、患者・利用者が負担増に耐えきれずサービスが利用できなくなれば、状態悪化を招き、命や健康が脅かされます。連続拡大にストップをかけ、制度を拡充させる世論と運動の拡大が求められています。


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