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2018年7月30日(月)

主張

石炭火力依存

世界の流れに逆行したままか

 世界で脱炭素・脱石炭の流れが急速に広がるなか、日本が国内・国外で温室効果ガスの排出量が突出して多い石炭火力発電所の建設や事業支援を推進していることに厳しい目が向けられています。今月初めに安倍晋三政権が決定した「エネルギー基本計画」で、石炭火力発電を「重要なベースロード(基幹)電源」に位置づけ、海外への輸出をすすめる方針をあらためて確認したことは大問題です。温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」の目標達成に逆行する姿勢は転換すべきです。

加速する「脱石炭」

 今年、日本をはじめ世界的に厳しい猛暑などに見舞われ、地球温暖化の進行との関係を指摘する専門家の声が相次いでいます。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が10月の総会で、温室効果ガスの排出が現在の水準で続けば、世界の平均気温は2040年ごろには産業革命前と比べ1・5度上昇すると警告する特別報告書を公表するといわれています。

 16年に発効したパリ協定では、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べ2度未満に抑えるとともに、1・5度未満に近づけるという目標が明記されました。対策を急がなければ目標達成は困難になります。

 温室効果ガス排出の大幅削減が急務となるもとで、世界は「脱石炭」を加速させています。17年のCOP23(国連の気候変動枠組み条約第23回締約国会議)の会場では、英国とカナダが主導して「脱石炭に向けたグローバル連盟」が発足し、参加する政府、自治体、企業・組織は広がり続けています。

 石炭火力発電など化石燃料に依存する企業に対する投資をやめる投資撤収(ダイベストメント)の動きも拡大しています。15年に世界銀行がこの方針を決めたのをはじめ、世界有数のノルウェーの政府系年金基金など約800組織にのぼるとされています。

 世界的な潮流に背を向けているのが安倍政権です。エネルギー基本計画で石炭火力の電源構成の割合を30年度も26%とする目標を維持したことは重大です。

 基本計画では「非効率」な石炭火力の新設制限などの方向を示しているものの、政府がすすめる「高効率」の石炭火力でも、天然ガス火力発電に比べCO2の排出量は約2倍と突出していると批判されているものです。東京電力の福島第1原発事故が引き起こされた11年以降、40基以上の石炭火力の新増設が計画されましたが、省エネによる電力需要の低下や世論の批判で一部は中止に追い込まれています。石炭火力推進の道理のなさを浮き彫りにしています。新増設を中止し、石炭火力から撤退することが求められます。

 安倍政権がアジア諸国への石炭火力発電の輸出を、公的金融機関の融資を伴い事業支援していることに国際的な批判が巻き起こっています。石炭火力の「海外展開」を「成長戦略」の柱として推し進めることは直ちにやめるべきです。

日本は責任を果たせ

 安倍政権のもとで温暖化対策の立ち遅れは深刻です。石炭火力からの撤退とともに、原発再稼働中止と原発ゼロの実現、世界で普及がすすむ再生可能エネルギーを推進する政治へ切り替えることが必要です。


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