2018年7月26日(木)
がれき撤去 公費で
被災者の要望切実
広島・三原 共産党市議が調査
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砂防堰堤(えんてい)を乗り越えた土石流に襲われ、死者も出た広島県三原市木原地区―。日本共産党の寺田元子三原市議は25日、砂防堤防まで登りつめ、現場を確認するとともに住民の要望を聞いて回りました。
堰堤までの急な坂道に巨大な岩がころがり、土砂や大きな岩が目につきます。堰堤の下にあった、ため池の跡かたもなく、元の様子はわかりません。
家の横に張り付くように、車、倒れた電信柱、家電製品、がれきが、山積みになった家の女性(49)は「がれきの撤去が公費で出るなら、すぐにでも業者に撤去を頼みたいが、はっきりしないので迷っている」といいます。
通常、災害で民家に流入したがれきを個人で撤去すると費用が自己負担とされてきた問題で、政府は今回、撤去費用を全額、事後精算に応じる方針を示していますが、その実施要綱は明らかでなく、市町村の対応がまちまちなのが実情です。
納屋や家から少し離れた狭い畑にも土砂が堆積。「どこまで支援対象となるんでしょう」と不安げな様子です。
寺田氏は、環境省の通達が、支援対象を「全壊家屋や宅地内」としていることを紹介し、「被災者が生活再建できるよう、幅広い救済がされるように国にも市にも働きかけます。また連絡します」と応じました。
三原市で深刻な断水対策の要望も多くだされました。市では水道管の仮設応急処置に懸命です。断水世帯は24日時点で692世帯まで減少しました。23日から通水したという男性(66)は町内でも水が出るところと出ないところがあるとし「水が一番欲しいんです。一日も早くみんなに水が渡るようにしてほしい」と話しました。ただ、市の担当課は水道管本管の工事はいつになるかはわからないと話しています。
必死の復旧作業が続く中、今週末には台風12号が上陸する見込みです。被災地の川は土砂で浅くなっていて、再び氾濫する恐れもあります。「雨の降るのが怖い」と二次災害を恐れる声も出ていました。
寺田氏は、県が仮設の堰堤をつくろうとしていることを紹介。「急ぐように働きかける」と述べました。(広島県・宮中里佳)