2018年7月23日(月)
土砂被害の家直さにゃいけん
「支援もっと」
広島県災対連ボランティアが奮闘
西日本豪雨で15人が死亡し、今も1人の安否不明者がいる広島県安芸郡坂町小屋浦地区で22日、「災害被災者支援と災害対策改善を求める広島県連絡会(広島県災対連)」が、家の泥出しのボランティアに取り組みました。(広島県・宮中里佳)
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泥が堆積し、スコップで探ると、畳、ガラス類、いろんなものが出てきます。畳は泥水を含んで重く、男性4、5人がつるはしも使い引きずりだします。
ボランティアが入った家の女性(66)は夫(70)との2人暮らし。「逃げようと思っていた矢先、玄関が割れてドドドーッと泥水が入ってきた。車も流されました。家の片づけは夫婦だけじゃ、どうもならん。ありがたい」と涙を流し、話しました。避難所での生活は2時間おきに目が覚めるとしながらも「寝泊まりさせてもらえるだけでもありがたいです」と言葉少なに語りました。
自宅の床上1メートル近くの土砂被害をうけた男性(44)は「柱は大丈夫。直さにゃいけん」と、家の再建を希望しています。「作業や片づけに追われて、被災してからのことをよう覚えとらん。閉塞(へいそく)感がはんぱない」と先行きが不安な様子です。
県労連の門田勇人事務局長が災害救助法などの内容を紹介しビラを渡しました。男性は「手続き的なものはどうしても後回しになる。もう少し落ち着いたら」と受け取りました。
同連絡会の坂町での行動は21日に続くもの。ボランティア初参加の高校生や東京から駆けつけた全日本教職員組合(全教)のメンバーなど34人が参加。土方功・全教副委員長(60)は「人がいくらいても足りないぐらい。全教でもボランティアをこれからも呼びかけたい」と話し、川后和幸災対連事務局長は「1週間や2週間で片づくような状況ではない。支援がもっと必要だ」と訴えました。
ボランティアの受付場所の小屋浦小学校校庭には、高く積み上げられた土のう袋や土砂で汚れて壊れた電化製品、家具などが山になっています。不通になっているJR呉線の小屋浦駅に土砂が流れ込んでいます。町のいたるところで泥出しの作業をする人たちがおり、元の道路がわからないほど土砂が堆積していました。