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2018年7月19日(木)

民意無視 党略極まる

安倍内閣 被災地おきざり

参院委 きょうにもカジノ採決

 自民、公明の与党は18日、参院内閣委員会で刑法が禁じる賭博を解禁するカジノ実施法案の採決強行を狙いました。野党の反対で同日のカジノ法案の採決は断念したものの、19日には採決する構えで、安倍内閣の民意無視の暴走が極まっています。


野党が問責、解任案に賛成討論

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(写真)討論に立つ辰巳孝太郎議員=18日、参院本会議

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(写真)討論に立つ田村智子議員=18日、参院本会議

 日本共産党、国民民主党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)は、西日本豪雨災害への対応よりもカジノ法案の強行にまい進する政府・与党の姿勢を厳しく批判。17日に4野党・会派が提出した石井啓一カジノ担当相の問責決議案に続き、18日には柘植芳文内閣委員長(自民)の解任決議案を共同提出しました。

 参院本会議で、日本共産党の辰巳孝太郎議員が石井カジノ担当相の問責決議案、田村智子議員が柘植内閣委員長の解任決議案への賛成討論をそれぞれ行いました。共産、国民、立民の各党と希望の会、沖縄の風は両案に賛成しましたが、自民、公明、維新などの反対で否決されました。

 辰巳氏は、石井国交相(カジノ担当相)が豪雨災害に万全の対策を政府に求めた全会一致の国会決議に反し、賭博の解禁に血道をあげたとして、「問責は当然だ」と指摘。カジノ法案は、賭博の違法性を阻却する明確な根拠もなく、依存症対策よりもカジノ資本のもうけを優先させるなど問題だらけで「こんな法案を推進する大臣に、大臣たる資格はない」と指摘しました。また、石井国交相が森友事件の真相解明に背を向けている点も厳しく批判しました。

 田村氏は、西日本豪雨災害への緊急の対応が求められる中、柘植内閣委員長がカジノ法案の審議を委員長職権によって強行し続けたこと、審議を深めることなく質疑終局・採決を一方的に宣言したことをあげ、「『中立公正』を投げ捨て、与党と政権いいなりに委員会運営を強行することは許されない」と指摘。加計学園問題でも真相解明に欠かせない参考人招致や証人喚問を棚上げし続けているとして、「国民に恥じることのない国会運営と国会審議を行うことを強く求める」と主張しました。

参院選挙制度の改定強行

衆院 審議不十分、抜本改革先送り

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(写真)反対討論をする塩川鉄也議員=18日、衆院本会議

 自民党提案の最悪の党利党略の参院選挙制度(公職選挙法)改定案は18日の衆院本会議で、自民、公明によって可決、成立が強行されました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会など全野党が反対。共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、選挙制度が国民の参政権、議会制民主主義の根幹にかかわる問題であり、「十分な審議もせず押し通すやり方は、国民の理解を得られず、選挙制度改革のあり方として許されない」と厳しく批判しました。

 塩川氏は、参院に続き衆院でも、特別委員会で自公と委員長が質疑を打ち切り、討論省略、採決を強行したことに強く抗議しました。

 過去2回、抜本改革を先送りし続けてきたのが自民党です。15年公選法改定で「抜本的な見直し」について「必ず結論を得る」と付則に明記していたにもかかわらず、今回の案も安倍晋三首相が「臨時的な措置」と認めたように「抜本改革」でないことは明らかで、塩川氏は「抜本改革を先送りする自民党は責任ある政党とはいえない」と断じました。

 塩川氏は、合区により立候補できない自民党候補を救済するため、比例代表に「特定枠」(政党が当選順位を決定する拘束名簿式を一部に採用)を持ち込むことは到底、国民の理解を得られないと批判。ほぼ全てを「特定枠」にすることが可能で、政党ごとに「非拘束」「ほぼ拘束」の名簿が混在する選挙になると指摘。「特定枠」の候補者への個人名投票も認められることで、1万票で当選する候補もいれば、50万票で落選する人も生まれるとし、「矛盾だらけの特定枠導入は有権者に混乱を招くだけで、認められない」と述べました。


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