2018年7月18日(水)
西日本豪雨 ため池防災全国的遅れ
要対策1399カ所 完了半数以下
辰巳議員が対応迫る
西日本を中心とする豪雨で決壊した、ため池が19に上り、そのうち防災対策を重点的に進める「防災重点ため池」に選定されていたのは4カ所にとどまることが分かりました。17日の参院内閣委員会で、日本共産党の辰巳孝太郎議員に農林水産省が答えました。
辰巳氏は、「なぜ15カ所は選定されていなかったのか」と追及。農水省農村振興局の奥田透整備部長は、決壊の原因を分析する検討チームを新たにつくり、対策を打つと表明しました。
ため池の決壊をめぐっては、広島県福山市で、決壊して流れ出た土砂が民家を押しつぶし、3歳の女児が亡くなっています。東日本大震災でも8人の死者が出て、農水省が全国一斉点検を実施。全国約20万カ所のうち、1万1000カ所を「防災重点ため池」に選定しました。
辰巳氏は、選定されたうち3634カ所で「豪雨に対する詳細調査」を実施し、1399カ所で「豪雨対策が必要」だとされたものの、対策が完了したのは653カ所にすぎないと指摘。「予算の制約」を理由に、改修工事などの根本的な対策をせず、住民への注意喚起など対症療法にとどめようとする農水省に対し、早急に予算措置をして「最優先で整備すべきだ」と迫りました。政府に対しても「“国土強靭(きょうじん)化”と言うなら、高速道路やリニア新幹線などではなく、こういう防災対策にこそ予算を傾けるべきだ」と主張しました。