2018年6月20日(水)
カジノ実施法案 衆院通過
自公維が強行 塩川氏「廃案しかない」
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刑法が禁じる民間賭博場=カジノを解禁するカジノ実施法案が19日の衆院本会議で、野党の反対を押し切って採決され、自民、公明、維新の賛成多数により可決し、参院に送付されました。日本共産党など5野党・1会派は反対しました。
日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、国民の圧倒的多数が法案に反対していると強調。内閣委員会で与党側が野党の審議継続の動議を無視し、定例日での質疑まで拒否して、わずか18時間の審議で採決したとして、「法案内容を国民に知らせずに押し切ろうという政府・与党の姿勢は、議会制民主主義の蹂躙(じゅうりん)だ」と断じました。
塩川氏は、カジノは民間企業が私的利益のために開設するもので、公益を目的に認められた公営競技とは全く違うと指摘。世界で最も深刻な日本のギャンブル依存症者をさらに増やすものだと批判しました。
塩川氏は、政府が「世界最高水準のカジノ規制」をいいながら、当初想定していたカジノ面積の上限規制を外したほか、公営ギャンブルやパチンコでは認められていない客への金の貸し付けをカジノ企業には認めていると指摘。さらに、カジノ規制のために新設される「カジノ管理委員会」が、経費負担も事務局もカジノ業者に依存するものだとし、「カジノ推進機関になりかねない」と警告しました。
塩川氏は、貸し付け解禁や面積拡大を要求してきたのが米国のカジノ企業だと告発。「まさに米国カジノ企業による、カジノ企業のためのカジノ事業法案だ」と述べ、廃案しかないと主張しました。