しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年6月19日(火)

きょうの潮流

 そのとき、秀吉が築いた伏見城は倒壊しました。1596年に近畿を襲った慶長伏見地震。M7・5の大地震は家々や寺をなぎ倒し、死者は1000人をこえたといわれています▼関西の通勤通学時を直撃したきのうの地震。朝の慌ただしさの中での強い揺れ。多くの恐怖とともに、交通網はまひし、大都市は混乱を極めました。大阪で震度6弱を観測したのは、記録が残る1923年以降初めてだといいます▼震源のすぐ近くには、大阪北部を東西に走る「有馬―高槻断層帯」があります。慶長伏見地震もここで発生しました。周辺には複数の断層があり関連はまだわかりませんが、同断層帯について政府の地震調査委は30年以内の発生確率を0・1%未満としていました▼前日には、群馬を震源地とした初の震度5弱の地震も起きています。いつでも、どこでも、何度でも。地震列島の宿命とはいえ過去の教訓から学ぶことが今後の防災につながるはずなのに…▼登校中に亡くなった9歳の女児は小学校周りの高さ3・5メートルのブロック塀が道路側に倒れ巻き込まれました。専門家は「非常に高く危険」だと。登校の見守りに向かう途中で住宅の外壁の下敷きになった80代の男性も▼日常の防災とともに建物の耐震化、交通基盤やライフラインの強化―。くり返し列島を襲う災害に対策は進んでいません。危険や被害が大きい人口密集地の備えも足りないことばかりで、原発の再稼働まで。政府がかかげる国土強じん化。国民の命は、後回しなのか。


pageup