2018年6月18日(月)
公証人が相続で役割
藤野氏 民法改正案で参考人質疑
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衆院法務委員会は13日、相続に関して配偶者が自宅に一生住み続ける長期居住権などを定めた民法改正案について参考人質疑を行い、日本共産党の藤野保史議員が質問に立ちました。
長期居住権では、遺産分割で配偶者が自宅退去を迫られないようにするほか、建物以外の相続財産を減らさないなど、配偶者の生活困窮を防ぐのが目的。
藤野氏は、吉田克己・早大大学院教授が冒頭陳述で指摘した、財産継承に関する法整備の不十分さや、相続で「遺産の流出」が起きている問題について、同氏に解説を求めました。
吉田氏は、ドイツやフランスでも、日本と同様に債務も含め財産を継承する「包括的承継主義」の立場だが、公証人など専門家による債務処理で遺産分割を行っていると指摘。フランスの約1万1000人の公証人が「相続のあらゆる場面で大きな役割を果たしている」と説明しました。
一方、日本では公証人は500人に満たず、専門家の関与なしに債務を含む遺産分割がなされており、「遺産から流出する財産が多く、遺産分割の持つ意味が小さくなっている」「真剣に議論して対策を講じる必要がある」と強調しました。