2018年6月13日(水)
TPP11 米国に譲歩迫られる危険
参院委で可決 井上氏が反対質疑
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11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の承認案が12日、参院外交防衛委員会で自民、公明などの賛成多数で可決されました。日本共産党などは反対しました。
質疑で、共産党の井上哲士議員は日米首脳会談(7日)の結果をみると、米国がTPP11の水準を出発点に、2国間協議でさらに譲歩を求めてくる懸念がいっそう強まったと強調しました。
井上氏は、日米首脳会談で、米国による鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限や検討中の自動車の関税引き上げについて「なぜ、撤回を求めなかったのか」とただしました。
河野太郎外相は「貿易に関する議論の一環で、日本の産業が米国経済に多大な貢献をしている説明はした」などと弁明しました。井上氏は、トランプ米大統領が会見で「米国からの輸出に対する貿易障壁の撤廃を求める」など具体的な発言を行っていることを指摘。7月に設定されたFFR(日米経済新協議)が「米国から一方的譲歩やFTA(自由貿易協定)を迫られる場になる懸念はいっそう深まった」と強調しました。
さらに、井上氏は、各国がISDS(投資家対国家紛争解決)条項に主権侵害の懸念を示す中、日本だけがISDSに固執していることを指摘。「ISDSは死んだ」(マルムストローム欧州委員)としてEU(欧州連合)が常設投資裁判所の設置を提案していることや、米国がNAFTA(北米自由貿易協定)で実質ISDSを使わないことを宣言していることなどをあげ、「ISDSはやめるべきだ」と強調しました。