2018年6月9日(土)
カジノ法案 規制機関が推進側に
塩川氏追及 金も人も事業者任せ
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日本共産党の塩川鉄也議員は8日の衆院内閣委員会でカジノ実施法案の質疑に立ち、カジノの規制機関として置かれる「カジノ管理委員会」が「カジノ推進機関」になる危険性を追及しました。石井啓一IR(統合型リゾート)担当相は否定できませんでした。
政府は、カジノ管理委員会は組織として独立性を有すると説明しています。塩川氏は「カジノ管理委員会とIR推進側の官庁の人事交流は規制するのか」とただしました。
石井担当相は管理委員会事務局の職員について「他省庁との人事交流に制限はない」と答弁。塩川氏が、原子力規制庁では職員が原子力利用推進側の行政組織に配置転換するのを禁止する「ノーリターンルール」があるのに、カジノ管理委員会に同様の規定がないことをただすと、石井担当相はIR推進省庁と管理委員会の「行政目的は対立するものではない」と答えました。
塩川氏は「信じられない答弁だ。これではカジノを規制・管理するどころか、推進の立場でカジノを拡大することになる」と批判しました。
塩川氏がさらに、カジノ管理委員会事務局にカジノ事業者を入れることを質問すると、石井担当相は「カジノを管理するためにはカジノの実態を知っている人を任用することもありうる」と述べ、委員会室から驚きの声があがりました。
塩川氏は、カジノ管理委員会の独立性は確保されておらず、経費はカジノ事業者が負担し、規制の仕組みはカジノ事業者の方が精通しており、事業者との人的結合もあり得ると指摘。「カネも人もノウハウ(必要な知識)も事業者に依存することになる。規制ではなく推進機関になりかねない」と批判し、法案の徹底審議を求めました。