しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月5日(火)

主張

「亡国の政治」

首相も麻生氏も直ちに辞任を

 森友学園への国有地払い下げに絡む公文書の改ざんや交渉記録廃棄、国会での虚偽答弁などについて財務省が発表した内部調査結果は国民の納得できるものではありません。佐川宣寿前理財局長の国会答弁に合わせるためだったと責任を一方的に押し付け、払い下げに関与した安倍晋三首相の妻昭恵氏らの果たした役割も、麻生太郎財務相や首相の責任も明らかにしません。佐川氏や昭恵氏らの国会への証人喚問で真相を解明することは不可欠であり、改ざんや隠ぺい、虚偽答弁で国民主権や議会制民主主義を踏みにじってきた首相も財務相も即刻辞任すべきです。

きっかけは首相の答弁

 財務省が、大阪府豊中市の国有地を8億円も値引きした安値で学園に払い下げ、問題が国会で追及されると、決裁文書は改ざんし、交渉記録は廃棄したと虚偽答弁し、実際に廃棄してしまったのはまさに言語道断です。いうまでもなく国有地は国民の共有財産であり、公文書は国民共有の知的資源です。格安払い下げや文書などの改ざんや廃棄は国民の権利を破壊する「亡国の政治」です。市民の告発に対し、大阪地検特捜部は佐川氏らを不起訴にしました。市民は不服だと検察審査会に訴えました。

 検察の処分と並行して調査してきた財務省が、責任を佐川氏らに押し付け、懲戒処分などで済まそうとしてもそれは許されません。「森友」疑惑の発覚は昨年2月9日付の一部報道です。首相などの政治家や昭恵氏の関与が問題になり、同17日には首相が「私や妻が関係していれば総理も国会議員をやめる」と答弁しました。この答弁の後、菅義偉官房長官と佐川氏ら財務、国土交通両省の関係者が協議し、同24日に佐川氏が「交渉記録はない」などと答弁したのです。首相答弁が発端だったのは明らかです。財務省は佐川氏の動機を曖昧にしたまま、責任を押し付けます。そうした財務省の報告でも、改ざんは政治家の名前を出さないためだったと認めています。

 財務省が追い詰められて公表した改ざん前の決裁文書や交渉記録の手控えには、籠池泰典理事長と安倍首相、麻生財務相らが改憲右翼団体の「日本会議」を通じてつながっていたことや、昭恵氏が2015年4月25日籠池氏らと予定地を訪れ、「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したことなどが記載されています。改ざんや廃棄がこうした事実を消すために行われたことは明白です。

 学園との国有地の貸し付けや払い下げの交渉はすべて、安倍政権で麻生氏が財務相の期間に行われました。佐川氏の前任で、一昨年6月まで理財局長だった迫田英典氏と首相は頻繁に会談しています。首相や麻生氏の関わりを含め、問題の全容解明は不可欠です。

国民の信頼を失っている

 安倍首相は妻の昭恵氏の証人喚問に反対し、「贈収賄にあたらなければ問題ない」などと言い出しています。麻生氏も改ざんは「悪質でない」とか「組織的でない」などと繰り返しています。小さく見せることで自ら責任を取ろうとしない態度は許されません。

 麻生氏は財務省幹部のセクハラでも姿勢が問われています。安倍政権では「加計」問題や自衛隊の日報隠しもあります。民主主義を破壊し国民の信頼を失った首相も財務相も、その資格はありません。


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