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2018年5月30日(水)

“黒を白にかえた”のは誰か

政権の体質示す暴言

麻生財務相の国会答弁

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 「バツをマルにしたとか、白を黒にしたとか、改ざんとか、そういった悪質なものではない」。29日の衆院財務金融委員会で驚くような暴言答弁がでました。森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、同省トップとしての責任が問われる麻生太郎財務相が改ざんは悪質でないと開き直ったのです。

 これは、財務省が改ざんを「書き換え」と表現していることを追及されたのに対し、飛び出した答弁ですが、単なる表現の問題ではありません。

 麻生氏は、国会で森友疑惑について1年も改ざん文書に基づく議論をさせたことへの責任をとる姿勢がみじんもありません。

 さらに公文書改ざんが憲法に反し、国民主権と議会制民主主義を破壊する歴史的犯罪行為だという認識すらありません。こんな人物がいつまで閣僚で居続けるのか。即刻辞任すべきです。

文書も答弁も

 麻生氏がいくら開き直ったところで、疑惑の中心にいる安倍晋三首相でさえ「改ざんとの指摘を受けてもやむを得ない」(3月26日、参院予算委員会)と認めています。

 今月23日には財務省が学園との交渉記録と改ざん前の決裁文書を国会に提出。8億円もの国有地値引きに首相の妻・昭恵氏が関与した動きが記述されていました。これに続く28日の衆参両院予算委員会では、森友問題が「総理夫人案件」だという疑惑を隠し、安倍政権を守るために改ざんや虚偽答弁が繰り返された実態が明らかになりました。まさに、この間、財務省が改ざんし、ウソをついたのは“黒を白に変える”ためでした。

 そういうさなかに、麻生氏は、公文書改ざんは“バツをマルに、白を黒に変えたわけではないから問題ない”と述べ、民主主義国家の根幹を揺るがす事態を招いた重大さをまるで理解しない態度を示したのです。

首相責任重大

 そもそも公文書とは何か。公文書管理法第1条は、公文書とは国民の知的共有財産だと明記しています。それを改ざんするのは主権者・国民を欺き、日本国憲法の最も大切な原理である国民主権を破壊する行為です。

 さらに改ざんした公文書を資料として国会に提出し、行政府が立法府を欺き続けることがまかり通れば国会審議は成り立たず、議会制民主主義は破壊されてしまいます。

 この間、麻生氏は公文書改ざんだけでなく、セクハラ問題でも数々の暴言を繰り返してきました。ここには、憲法に基づいた政治を行う立憲主義を破壊する安倍政権の体質があります。

 安倍首相が任命・監督責任を放棄し、麻生氏をかばい続けてきた責任は重大です。麻生氏辞任はもちろん、国民を欺いて痛みを感じない安倍内閣は総辞職しかありません。(秋山豊)


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