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日本共産党

2018年5月29日(火)

主張

「森友・加計」追及

加計氏、昭恵氏らの喚問不可欠

 安倍晋三首相と加計孝太郎理事長の面談が獣医学部開設のきっかけになった疑いを浮き彫りにした愛媛県の新文書提出と、首相の妻、昭恵氏の関与を改めて示した財務省の改ざん前文書や交渉記録などの公表を受けた、衆参両院予算委員会の集中審議を聞きました。「加計」問題では首相が面談を否定し、学園は職員の虚偽の情報だったと発表しました。しかしそれで疑惑は解消するどころか口裏合わせの疑いが濃厚です。国民を欺くのはやめるべきです。加計氏や「森友」に絡む昭恵氏らの国会喚問がいよいよ不可欠です。

「面談否定」は通用しない

 「加計」問題では先週、大きな動きが相次ぎました。愛媛県が先週初め国会に提出した文書で、2015年2月25日首相と理事長が面談し、学園の獣医学部開設計画に「いいね」と応じたことが明らかにされたのです。半世紀ぶりに開設される獣医学部の事業者に「加計」が決まった昨年1月まで、計画そのものを知らなかったと国会で答弁してきた首相の説明を突き崩す内容です。首相は即座に否定、県といっしょに開設を進めた今治市は学園から聞いたことを認めましたが、週末になって学園は面談を職員の偽りの説明が原因だったと一方的に発表しました。

 首相と理事長は長年の友人です。面談否定に根拠はなく、学園が口裏を合わせてウソをついたとしか受け取りようがありません。さもなければ学園が虚偽報告で県や市をだまし、首相が進めた「国家戦略特区」を利用し、国の認可を得て獣医学部を開設し、用地の提供や補助を手にしたことになります。

 集中審議では参院で日本共産党の小池晃書記局長が、学園側が首相と理事長の面談の動きがあると予告し、面談を受け当時の柳瀬唯夫首相秘書官が資料提出を指示したことなどから見ても、学園の「ストーリー」は全く信じがたいと批判し、加計氏や柳瀬氏の証人喚問、知事・市長の参考人招致などを求めました。国民の8割が納得していない問題の国会での解明は当然です。

 「森友」問題では財務省が公表した文書で、首相の妻、昭恵氏が小学校の建設予定地を訪れ「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したことや、夫人付の政府職員を通じて財務省に問い合わせ「現行ルールの中で最大限の配慮をして対応している」との回答を引き出したこと、「ゴミ」を口実に大幅値引きを財務省に要求し、昭恵氏が棟上げ式に来ると圧力をかけたことなど、10回以上も昭恵氏の名前が登場します。昭恵氏や関係者の国会喚問が不可欠です。「私や妻が関与していれば首相も議員もやめる」と答弁した首相は責任を免れません。

国交省含む政権の責任

 小池氏と宮本岳志衆院議員が暴露・追及した、財務省と国土交通省の局長が昨年9月7日、会計検査院の検査や国会への対応を協議、値引きの根拠となるゴミの量や金額を隠そうとしたことを示す新資料は重大です。財務省と国交省が値引きに合わせ調整した疑いが明らかになっていますが、検査院と国会へのウソのつき方まで話し合ったとなれば、大問題です。

 「森友」文書が誰に何のために改ざん・隠ぺいされたかは調査中です。財務・国交両省を含む政権全体の責任を明らかにすべきです。


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