2018年5月23日(水)
面会否定の首相
「名前出ない よくあること」
空白の時間と首相動静
「官邸の記録を調べたが確認できなかった」。愛媛県の新文書に記載されていた加計孝太郎「加計学園」理事長との15分間の面会(2015年2月25日)を否定した安倍晋三首相が22日に示した唯一の根拠は「官邸の記録」でした。
しかし、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「入邸記録は業務終了後速やかに廃棄される」「残っていなかった」と説明。それが事実なら、加計氏が官邸を“訪れていなかった”という記録もないことになります。
各紙が報じた、問題の日の「首相動静」には加計氏との面会の記録はありませんが、官邸で面会が可能だった“空白”の時間帯(正午すぎの約50分間、衆院予算委中座後の午後2時5分から約30分間など)があります。
元NHK記者の池上彰氏は『池上彰と学ぶ日本の総理 9』(小学館)で「総理官邸が建て替えられてからは、記者たちの目の届かないルートを通って総理執務室に入ることが可能になりました。これ以降、『首相動静』に報じられる会談以外にも、極秘の会談がありうるようになりました」と紹介しています。
当の安倍首相も14日の衆院予算委でこう答弁しています。第1次安倍政権当時に加計氏との会食やゴルフが「首相動静」に一度もないのは「不思議」(無所属の会の江田憲司氏)だと問われて、「第1次政権のときも加計さんと会食したことはあるが、たまたま名前が外に出ていないということだろう。それはよくあることだ」。
「官邸の記録」や「首相動静」が、面会を否定する証拠にはならないのです。