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2018年5月20日(日)

新潟知事選 24日告示 池田ちかこ氏に聞く

再稼働問題 市民と野党共闘 もっと女性輝く県

原発のない未来へ 県民の命・暮らし守る

 新潟県知事選(24日告示・6月10日投票)で、幅広い市民と、共産、立憲民主、国民民主、自由、社民、無所属の会、民進、新社会、緑の各党会派からの支援で立候補する池田ちかこ予定候補(57)に、原発再稼働の問題、「市民と野党の共闘」、県政の諸課題について聞きました。(吉岡淳一、新潟県・五十嵐健彦)

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検証をしっかり

 注目されている柏崎刈羽原発の再稼働についてどうお考えですか。

 新潟県では原発について三つの検証(福島事故原因・事故の健康と生活への影響・避難方法)を進めていますが、万一、再稼働した時に県民の命と暮らしを守ることができるのかを確認するための検証だと考えています。

 まずは検証をしっかり成し遂げることが第一だと思っています。検証は緒に就いたばかりですが、福島から避難している方の生活がどのように変化したのかなど、ある程度結果が示されています。それを拝見しますと、非常にご苦労されている実態が明らかになり、県民の命と暮らしを守ることができると言い切るには厳しい結果が出ていると思っています。

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(写真)市民団体を立ち上げ、池田ちかこ氏(最前列左から4人目)を囲んで気勢を上げる人たち=17日、新潟市

 かつて東北電力巻原発計画が住民投票で否決され撤回させた経験があります。住民投票を公約して当選した笹口孝明元町長(現新潟市西蒲(にしかん)区)の態度に非常に感銘を受けています。かいつまんで言うと“町民はずっと議論し情報も得て、原発の是非について判断する力が十分ついている。だからみなさんに問いたい。みなさんから結果が示されたらその判断に従う”ということです。

 今後、検証結果が明らかになれば、私にも判断する材料がたくさん出てきます。それは私だけのものではなく、県民一人ひとりも知ってほしいし、考えていただきたい。私の判断が独善ではないか、誤っていないか、みなさんの思いとかけ離れていないかということを、県民投票などによってきちんと確認したいと考えています。

 国が策定を進める「エネルギー基本計画」案では、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けています。そうすると原発約30基分を稼働させることになり、私が掲げる原発ゼロの日本、新潟をめざす方向とは逆です。

停止後の構想も

 原発立地自治体の柏崎市出身の候補者としての思いは?

 柏崎市と刈羽村には原発で働いている人や原発があることで職を得ている人も多く、再稼働について忌憚(きたん)のない意見交換が非常にできにくい地域です。

 福島原発事故を目の当たりにしても、即座に再稼働させない、廃炉にすればいいと考える方ばかりでないのは、それによって地域経済が回っていると認識しているからです。今回の公約では、原発停止後の産業・社会政策を構想するための新たな検討委員会創設を提案させていただきました。

女性働く権利を

 県政で力を入れたいことは?

 市職員、市議、県議として、ずっと地方で歩んできました。ただ真剣に地域の一つひとつの課題に取り組み、人々に寄り添い、その生活が少しでも豊かに、幸福になるようにと仕事をしてきたつもりです。介護保険制度ができた時、ケアマネジャーの資格を取得した理由も、市議として市民のための活動、高齢化に直面する地域の人々の支えとなる上で、その勉強をすることが役立つと考えたからです。

 子育て世帯にたいする支援制度を拡充し、前県政の新潟県版「給付型奨学金」をさらに発展させたいと考えています。TPPから新潟の農業を守り、「戸別所得補償制度」の復活などを国にも求めていきたいです。

 今回発表した公約の中に、▽女性が輝ける社会▽女性や性的マイノリティーへの嫌がらせ防止▽性差別根絶―を盛り込ませていただきました。財務省のセクハラ問題への対応を見ていると、“女性には働く権利がないんですか”と申し上げたくなります。そういうことが無くなる社会にしていかなければならないという思いを込めました。

 国会の議論を見ていると、すべての官僚がそうではないのかもしれませんが、国民の方を向いていないと感じざるを得ません。私は隠すことも取り繕うことも何もないので、ストレートに出してみなさんに判断していただきたい気持ちです。

共闘枠組み広く

 新潟の市民と野党の共闘についてどうお考えですか。

 「新潟ショック 政権激震」と言われる、いままで積み上げてきた市民と野党の共闘が壊れるのではないかという危機がありました。これは新潟だけの問題ではなく全国に影響を与える問題であり、ここで私が立候補しないわけにはいかないと決意させていただきました。

 団体、組織には立場などさまざまに違うところがあり、一緒にたたかうことはたやすくありません。しかし、今回の知事選では前回よりも枠組みが広がっていると思います。そういう選挙の候補者として活動できることは本当に光栄なことで、頑張らなければならないという気持ちを非常に強く感じています。


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