しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月19日(土)

きょうの潮流

 ここは国民が国王を断頭台に送った国。この事実をくれぐれもお忘れなく―。フランスのオランド前大統領は最近、回想録の出版にあたりマクロン現大統領に警告しました。世論無視の強権姿勢は国民から反撃されると▼今月で就任から1年となったマクロン氏を迎えているのは、学生や労働者による抗議行動の波です。公務員削減、国鉄への市場競争導入、大企業・資産家への減税。矢継ぎ早に打ち出してきた国民犠牲の「改革」への怒りの行動です▼投資銀行出身のマクロン氏は就任早々、財界の要求に応えて解雇規制を緩和する労働法改悪を強行。「改革」に反対する人を「怠け者」と呼び、抗議デモをおこなう労働者には「仕事を探しに行け」と指図する横暴ぶりです。諸行事の会場に歴代国王が暮らしたベルサイユ宮殿を使ったことも国民を驚かせました▼オランド氏も大統領時代に労働法改悪を強行しようと企てました。そんなオランド氏から見てもマクロン氏の強権ぶりは目に余るということでしょう▼世界で初めて週40時間労働と年2週間の有給休暇を実現した人民戦線政府などフランス国民の闘争は世界のルールある経済社会づくりを促してきました。「労働者が勝ち取った成果は譲らない」。デモ参加者は歴史の逆行を許さない決意を語ります▼「愛される大統領なんていない」と開き直るマクロン氏。フランス革命やパリ・コミューンなど革命の伝統が脈打つ国の国民を侮っていては、いずれ痛い目に遭うことは疑いありません。


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