2018年5月18日(金)
強制不妊手術一斉提訴
3地裁 旧優生保護法 国に賠償請求
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旧優生保護法(1948~96年)のもとで本人の同意のないまま不妊手術を強制されたのは人権侵害だとして、70代の男女計3人が17日、国に総額7950万円の損害賠償を求めて札幌、仙台、東京の3地裁に提訴しました。
訴えたのは、実名を公表した札幌市在住の小島喜久夫さん(76)、宮城県の70代女性、東京都の男性(75)。
訴状によると、3人は10代のころ知的障害などを理由に不妊手術を受けさせられました。
憲法13条(個人の尊重)が保障する、子どもを産み育てるかどうかを決める自己決定権を奪われ、身体的・精神的苦痛を受けたにもかかわらず、長年、国が救済措置を怠ってきたとして、国に対し1人当たり1100万円~3850万円の損害賠償を求めています。
強制不妊手術をめぐっては、宮城県の60代の女性が手術の記録をもとに1月、初の国家賠償請求訴訟を起こし、仙台地裁で審理が始まっています。
同法は「不良な子孫の出生防止」などを目的に掲げて成立。96年に差別的規定を廃止した母体保護法に改正されましたが、この間に、本人の同意なく手術を受けた人は約1万6500人とされます。その8割は手術の公的記録が失われているとみられています。
今回の3人も手術の記録が見つかっていません。代理人弁護士らは、手術痕や本人、親族、医師らの証言などにもとづき手術を受けたことを立証します。
小島さんは仲間に「勇気を出して相談して」と呼びかけています。
厚労省子ども家庭局母子保健課の話 訴状が届いていないため、コメントを控えます。