2018年5月16日(水)
シェアハウス投資 スルガ銀 不正を認識
審査書類偽造 知りつつ融資
顧客1258人 残高2千億円
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資をめぐり、オーナー(物件所有者)に建設資金の融資をしていたスルガ銀行(静岡県沼津市)は15日、多くの行員が通帳改ざんなどの不正を知りながら融資をしていたことを記者会見で認めました。
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米山明広社長らが沼津市内で会見。同社は調査の結果、融資に際し顧客の「自己資金の残高を証明する通帳等の偽造や改ざん」などが行われていたと発表。不正について「相当数の社員が認識していた」と認めました。
一方で不正への「組織的な関与」については否定。詳細は今後の第三者委員会の調査にゆだねるとして、金融庁の検査結果なども待ち経営責任をとる考えを明らかにしました。
不正の背景について米山社長は「増収増益を継続しなくてはならないというプレッシャーから、営業部門の幹部が審査部に圧力をかけるような状況も生じていた」と発言。オーナーらが求めている債権放棄には応じず、金利の引き下げなどで対応すると答えました。
シェアハウス物件で同行から融資を受けた顧客は3月末時点で1258人、融資残高は約2035億円に上り、ほとんどが、「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ(東京)が関係する物件だといいます。スマート社が4月に経営破たんした影響で、同行の経常利益は前期比49%減になるとしています。
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