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日本共産党

2018年5月16日(水)

社会の意識共に変えよう

セクハラ根絶へ「ネットワーク」設立 会員の声

 新聞・通信社、放送、出版など「メディアで働く女性のネットワーク」設立にあたり、会員から寄せられた「声」の要旨を紹介します。

写真

(写真)記者会見をおこなう(右から)同「ネットワーク」代表世話人の林美子さん、松元千枝さん=15日、厚生労働省

こんな思いさせない

 ●自治体幹部に、無理やりキスをされた。警察署長との懇親会をたった一度別の仕事で断ったら、二度と会見に呼ばないと脅された。地方議員に口説かれ断ったら翌日から取材拒否にあった。県庁幹部にチークダンスを強要された。どれも打ち明けられなかったが、我慢できずに1人の女性先輩に打ち明けた。誰よりも強く社内でもたたかっている先輩だが、同じような目にあっていたと知りがくぜんとした。彼女は、自分の尊厳を傷つけた相手からの取材などしなくていいと言った、ただ一人の記者だった。私に続く女性記者に、こんな思いをさせないためにも声をあげる。(新聞・通信社)

声をあげにくい構造

 ●福田前財務次官のセクハラ問題は氷山の一角にすぎない。閣議では女性記者の告発は「公益通報には当たらない」とされたが、公益通報そのもの。セクハラ被害について声を上げにくい構造だとテレ朝自身が認識しなければ何も変わらない。(放送、30代)

財務相謝罪と辞任を

 ●飲み会や帰りのタクシーで体を触られたり、取材先の男性に肉体関係を迫られたり(恋愛感情ではなく、遊び相手として)、露骨に性経験を尋ねられたり。さまざまなセクハラを受けてきたが、うまくいなせてこそ一人前という風潮の中、受けた傷にふたをして過ごしてきた。望むのは麻生氏が財務相として謝罪し、責任を取ること。辞任してほしい。テレ朝は通報した記者の、記者としての仕事を今後も制限することなく全力で守ってほしい。(新聞・通信社、40代)

重要部署女性配属を

 ●セクハラをなくすことがゴールだと思わない。男性がほとんどを占めているメディア業界の重要なポジションに女性が増えることでジャーナリズムの風通しを良くし、さまざまな思い、考えが反映される社会を作りたい。(新聞・通信社、30代)

政権スタンス示して

 ●麻生財務相は辞職すべきだ。政権としてセクハラにNOという明確なスタンスを示して。(新聞・通信社、40代)

女性尊厳傷つける罪

 ●福田前次官の行為は権力犯罪だ。記者になって20年余、取材先や職場の上司に手を握られたり、体を触られたり、顔を近づけて来られたり、ひわいなことを言われたり…。女性の尊厳を傷つける罪に無自覚すぎる者たちから発信される記事がまともであるはずがない。ハラスメントを受けて、本来の力を発揮できず悩んでいる人が大勢いる。すべての女性が安心して働けるよう、セクハラの根絶を目指し当事者としてかかわり、発信していきたい。(新聞・通信社、50代)

沈黙の時代戻らない

 ●被害を矮小化し、被害者を侮辱する麻生氏をはじめとした政治家の発言が続いた。こんな暴言を許せば、再び女性たちは沈黙を強いられる時代に逆戻りさせられる。女を使い倒すだけの「女性活躍」は到底許せない。(新聞・通信社、40代)

抜本的な改革措置を

 ●形式的な対策でなく抜本的な改革につながる措置をとってほしい。(新聞・通信社、30代)

明らかな人権侵害だ

 ●セクハラは「言葉遊び」ではなく明らかな人権侵害だ。真実を知り、市民に情報を届けようと思って必死に働いているときに、あのような言葉を浴びせられる者の怒り、悲しみを想像してみて。最大級の侮辱により、心がズタズタになる。しかし、あまりにもひどい言動に耐えかねて訴え出れば、社内外からの批判や嘲笑、悪意のうわさなどの二次被害に遭う。(新聞・通信社、50代)

でも時代は変わった

 ●入社後まもなく警察幹部に無理やりキスをされて「君が悪い」と言われた。数年後、県庁幹部を取材中、ホテルに連れ込まれた。中間管理職になった40代、上司から犯罪まがいの性的暴力を受けて拒むと「別の部署に飛ばす」と脅された。そんなことまでして私が働き続けてきたのは、ジャーナリズムの現場で声なき人の声を代弁し、社会を良くするためだ。でも、時代は変わった。(新聞・通信社、40代)

我慢させ見放す社会

 ●女性へのセクハラがまかり通る社会は男性のパワハラ被害も「我慢しろ」と見放す社会だ。ぜひ男性にも声を上げてほしい。(新聞・通信社、40代)

目そらさず向き合う

 ●人権の問題であり、報道の自由の問題であると考えて目をそらさずに向き合っていきたい。(放送、40代)

古い体質から脱却を

 ●メディア界は社員研修すらやっていない会社もあり遅れている。古い体質から脱却しなければ、真実を追求し、権力を監視するジャーナリズムの使命は果たせない。(新聞・通信社、50代)

パワハラも声あげる

 ●女性記者に対してのセクハラだけでなく、男性記者へのパワハラもある。沈黙を破り、声を上げて、社会の規範意識を変えるべく、男女がともに立ち上がらなければならないと思う。(新聞・通信社、40代)

組織超えてつながる

 ●私たち自身も傷ついた体験を持つ者だと声をあげるところから一歩を踏み出したい。組織の枠を超えて思いを同じくする人たちがつながり、人が人を見下し、差別的に扱う社会を必ず変える。(新聞・通信社、40代)

本質捉えた報道こそ

 ●ハラスメント被害の認定のため録音するのは当然。所属社が報じないなら他のメディアに渡すことに責められるべき点はない。問題の重大さと本質をとらえた報道がなされるように業界の体質も変わらなければ。(出版、50代)


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