しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月16日(水)

米朝会談と世界史的な大変動の可能性

志位委員長 夕刊紙で語る

 日本共産党の志位和夫委員長は、夕刊紙「日刊ゲンダイ」16日付に掲載されたインタビューで、米朝首脳会談について「対話による平和的解決の歴史的チャンスが生まれており、北東アジア地域の情勢をがらりと変える世界史的な大変動が起こり得る情勢にきている。このチャンスを絶対に逃してはなりません」と語りました。

 志位氏は、同紙のインタビューで日本共産党が4月6日に関係6カ国への要請文を出し、「『朝鮮半島の非核化』と『北東アジア地域の平和体制の構築』を一体的、段階的に進めてほしいと提起」したことを紹介。そのうえで、最近の動きで注目したこととして、7~8日に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長が中国・大連を訪問して習近平・国家主席と会談したこと、「直後に米中首脳の電話会談が行われ、中国側は『段階的な解決』や、『北朝鮮の安全保障上の懸念を考慮』することを米側に求め、米側は『中国の立場を高く重視し、役割を称賛する』と応じた」ことを指摘しました。その直後にポンぺオ米国務長官の再訪朝が行われ、米朝首脳会談の日時、場所が発表されたとのべ、「米朝首脳会談が成功を収めることを、かなり期待してもいいところまできているのではないでしょうか」と語っています。

 こうした米中朝関係と「対照的なのが日本の安倍政権ですね」との質問に対して、志位氏は「安倍政権の姿勢は一言で言うと『対話否定』『圧力一辺倒』。これが今、大破綻している」と指摘。安倍政権が「ひとり取り残された状態」とのべました。拉致問題でも「せっかく解決のチャンスが生まれている」のに、「『拉致問題の解決が対話の前提だ』といって対話に自らハードルをつくるという態度」では道は開けないと批判しました。

 安倍政権の孤立が現れたのが日中韓首脳会談の間に行われた中韓首脳会談です。志位氏は同会談で「北朝鮮に対して一方的に要求するのではなく、北朝鮮が完全な非核化を実行する場合、体制保証と経済開発支援などの明るい未来を保証するうえで、米国を含む国際社会が積極的に参加すべき」という内容で合意したことを評価。「『圧力一辺倒』の安倍政権との落差が際立ちました」とのべました。

 今後の非核化の展望について、「非核化と平和体制構築は一体で進めてこそ両方を実らせることができる」と強調。2005年9月の6カ国協議共同声明で「『約束対約束、行動対行動』の原則に従い、段階的に実施する」と明記したことが「最も現実的な方法」だとのべ、「非核化には、核兵器や核物質、核関連施設がどこにあるのかを申告させ、それを検証し、次に廃棄し、さらに検証という段階がどうしても必要になる」と指摘しました。

 最後に志位氏は、日本政府に対して、「情勢の前向きの激変が起こっている。これまでの『対話否定』『圧力一辺倒』の失敗を認め、政策を大転換することを強く求めたい」とのべました。


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