2018年5月12日(土)
成年引き下げ「慎重審議を」
民法改定案で藤野氏要求
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日本共産党の藤野保史議員は衆院の法務委員会で11日、成年年齢を20歳から18歳に引き下げるとした民法改定案について「140年ぶりの成年年齢の引き下げは国民生活や日本の未来社会にも関わる問題。国民の理解や納得が必要だ」として慎重な審議を求めました。
藤野氏は、2009年の法制審議会の「最終報告」では、成年年齢引き下げにかかわる法整備には▽若者の自立を促す施策や、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策の実現▽施策の効果の発揮▽効果が国民の意識として現れる―ことが必要だとしていることを示し、法相の認識をただしました。上川陽子法相は「国民への周知はまだまだ十分でない」と認めました。
藤野氏は、マルチ商法に関する相談件数が、18、19歳と比べ20歳から21歳では12・3倍に急増している日弁連のデータを示し、「民法では、未成年であれば取引時の年齢さえ証明すれば契約を取り消すことができる未成年者取消権が鉄壁の防波提の役目を果たしている」と強調。「成年年齢の引き下げで18、19歳の若者は取消権が使えなくなる」と指摘しました。
上川法相は「(消費者被害で)成年に達した直後を狙われたものが多くみられる実態がある」としながらも、消費者契約法の改定で被害は防止できると答弁。藤野氏は「現行民法は、年齢さえ証明すればいいが、消費者契約法ではさまざまな立証が必要だ」と述べ、18、19歳が狙い撃ちされる危険を指摘。「消費者団体や日弁連などの意見を聞く機会も設けるべきだ。国民的な議論と検証、かつ十分な国会審議が必要だ」と求めました。