2018年5月12日(土)
米朝会談 来月12日
シンガポールで開催
【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領は10日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談を、6月12日にシンガポールで行うと発表しました。約70年にわたり敵対関係にある米朝両国首脳による会談は史上初めて。「朝鮮半島の完全非核化」に向け、具体的な手順や時期でどこまで合意できるのか、世界中が注目する会談となります。結果次第では、北東アジアの平和構築にむけて大きく前進する可能性があります。
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世界が注目
トランプ大統領は10日、中西部インディアナ州での集会で演説し、米朝首脳会談について「非常に良いことが起きると期待している」と表明。「全世界の未来の平和と安全保障のため、金正恩に会う」と意義を語り、「日本、韓国、中国、みなにとって重要だ。極めて大きな成功を収めると思う」と交渉への自信を示しました。
トランプ政権はこの間、ポンペオ国務長官が2回にわたり訪朝し、米朝首脳会談にむけて準備を進めてきました。2回目の訪朝(9日)では、北朝鮮に拘束されていた3人の米国民が解放され、ポンペオ長官とともに帰国。トランプ大統領が金委員長に対し、「3人の帰国を許してくれたことに感謝する」と述べるなど、首脳会談にむけた信頼醸成の環境が整いました。
シンガポールのリー・シェンロン首相は11日、トランプ大統領のツイッターに「平和への道の重要な一歩だ。成功を祈る」と返信しました。中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長も同日の記者会見で、「積極的な進展があったことを歓迎する。半島の非核化推進で重要な一歩を踏み出すことを期待している」と述べました。韓国の大統領府は10日、報道官が声明で「会談を通じ、朝鮮半島の非核化と恒久的平和安定につながることを望む」と述べました。