2018年5月10日(木)
新基準8基目 大飯4号機が再稼働
事故の教訓踏みにじる 各地で抗議
関西電力は9日、大飯原発4号機(福井県おおい町)を再稼働させました。2013年9月に定期検査で停止して以来、稼働は約4年8カ月ぶり。新規制基準に基づく再稼働は全国で5原発8基目。大飯4号機の再稼働に対して、現地や国会前などで抗議行動が行われました。
裁判の決着ついていない 福井
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関西電力が大飯原発4号機(福井県おおい町)の再稼働を強行した9日、福井市や、おおい町で住民らが「大飯原発再稼働反対」と抗議の声を上げました。
県内の「原子力発電に反対する県民会議」や「原発問題住民運動県連絡会」など5団体でつくる「オール福井反原発連絡会」が呼びかけたもの。
県内の原発の再稼働は、高浜原発3、4号機(同県高浜町)、大飯原発3号機に続き、これが4基目で、いずれも関電のものです。
福井市の県庁前では、大飯3、4号機運転差し止め控訴審(名古屋高裁金沢支部)をたたかっている奥出春行さんが「裁判の決着がついていないのに再稼働なんて許せない」と訴えました。日本共産党の佐藤正雄県議は「再稼働は福島事故の教訓を踏みにじるものだ」、社民党県連合の森永慶治幹事長は「原発は、誰一人安全を保証する者がいないのが現実だ」と告発しました。
おおい町では、約100人がデモ行進や発電所ゲート前の抗議行動を行うとともに、関電に対し、再稼働の中止と原発の全廃を求める申し入れ書を提出しました。共産党からは猿橋巧おおい町議ら4人の地方議員が参加しました。
再生可能エネに移行を 国会前
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関西電力大飯原発4号機(福井県おおい町)の再稼働への抗議行動が9日、国会前で行われました。午前中からの雨が続く中、参加者は国会に向けて「再稼働はやめろ」「再生可能エネルギーに移行しろ」と声を上げました。主催は、さようなら原発1000万人アクション実行委員会。
NPO法人日本消費者連盟の富山洋子代表は「放射性廃棄物問題など、原発をこの地球上で動かす論理は破綻している。これ以上、原発のある社会はいらない」と強調。「福島での事故をまったく意に介さず再稼働を進める政府を断じて許すわけにはいかない」と述べました。
傘をさして訴える参加者らに、「原発はいらないぞ」と声をかける通行人もいました。
埼玉県から参加した女性(69)は「東電刑事裁判でも、被告の旧経営陣は津波の恐れを知りながら、対策を怠った責任を認めていない。もうけ本位の電力会社に原発を稼働させる資格はない」と話しました。