2018年5月10日(木)
主張
暴言連発の麻生氏
かばい続ける首相の責任重大
麻生太郎財務相の暴言が止まりません。前財務事務次官のセクハラについて「セクハラ罪という罪はない」と擁護を繰り返すだけでなく、「森友」公文書改ざんでは「どの組織でもありうる」と開き直りました。所管官庁の事務方トップがセクハラという深刻な人権侵害をしたことや、国民の知的共有財産である公文書を改ざんするという民主主義の根幹に関わる大問題を起こしたことへの反省はみじんもありません。大臣どころか国会議員として失格です。人権・尊厳無視の人物を財務相・副総理という政権ナンバー2に据え続ける安倍晋三首相の責任が問われます。
人権侵害との認識が欠落
福田淳一前財務次官によるセクハラ発覚直後から麻生財務相の言動はあまりに異常で、非常識極まるものでした。口頭注意しただけで福田氏を一貫してかばい続け、国民の怒りの高まりで、福田氏が辞任に追い込まれた後も「報道だけでセクハラがあったと認定して処分するのはいかがなものか」「はめられて訴えられたのではないかなどと、いろいろな意見は世の中にはいっぱいある」と耳を疑う発言を連発しました。被害者に名乗り出ろと求めるなど二次被害を引き起こす異常なセクハラ調査を財務省が行ったことについては謝罪も反省もありません。
麻生氏が盛んに「セクハラ罪という罪はない」と言い張るのは、セクハラが個人の人権と尊厳を踏みにじる絶対に許されない行為であるという認識が完全に欠落しているためです。被害者側からの抗議文について「もう少し大きな字で」と不真面目な態度をとり、「罪はない」と強弁する麻生氏の姿勢は、セクハラの被害者をいっそう深く傷つけています。このような人物が要職にいる内閣が、いくら「女性の輝く社会づくり」などという看板を掲げても誰も信用しません。
国政を揺るがす大問題に発展している「森友」公文書改ざんについて「どの組織でも改ざんはありうる話なので大蔵省(ママ)に限らなくたって…」「やろうと思えばその個人の問題でしょうから」などという発言は、前代未聞の事態を起こした財務省を所管する大臣として、無責任の極致です。どの組織も改ざんがありうるなどという認識は、国民の財産である公文書の価値や役割、意義を否定するに等しい暴論そのものです。
「森友」公文書改ざんという歴史の偽造を政権ぐるみ行った疑惑が追及され、当時の理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が辞任、担当した職員が自殺に追い込まれるなど重大問題を招いている財務省の最高責任者は一体誰なのか。「個人の問題」などとまるで人ごとのように平然と言い放つ麻生氏には大臣としての資格はもちろん、国会議員・政治家としての資格が失われていることは明らかです。麻生財務相は即刻辞任すべきです。
政権を退陣に追い込み
麻生財務相が「強気」でいられるのも、安倍首相が麻生氏の暴言を問題視せず、続投させる姿勢を崩さないためです。暴言を連発した夜も首相は麻生氏と約2時間会食しましたが、同氏を批判したという話は伝わってきません。だいたい次々と噴出する一連の疑惑など異常事態をつくりだしたのは首相自身です。安倍政権を退陣に追い込むことがますます重要です。