2018年5月3日(木)
きょうの潮流
幹部自衛官が「おまえは国民の敵だ」と野党国会議員に言い放った暴言疑惑。自衛隊を憲法9条に明記して「戦争する国」を狙う安倍政治が醸し出すきな臭さ…▼映像には100歳を超える老人らが戦前の体験を語り、侵略戦争を遂行する体制が治安維持法による人権侵害と一体だったと告発する姿が。戦争と暗黒政治を許すなと運動する、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟が50周年を記念して作成した映画「種まく人びと」です▼東京を中心にした印刷労働者の出版工クラブの創設メンバー、杉浦正男さん。登山や野球など親睦のほか科学的社会主義の学習会などに1500人も組織しました。それが、治安維持法違反に問われ「兵士は戦地にいる。おまえらは国賊だ」と、「竹刀と木刀でめった打ちの半殺し」の拷問に▼明治大学教授の山田朗さんがコメントします。激しい弾圧の中でも「自由と民主主義を求める人びとが根絶やしになった事はなかった。必ず“火種”は残されていて復活し、大きくなるものだ」▼出版工クラブの指導者柴田隆一郎は終戦の年の2月に獄死したものの、杉浦さんらは戦後、あかつき印刷はじめ民主的印刷所の建設に尽力しました。映画は、現代の治安維持法・共謀罪に反対し、市民と署名行動をする高齢の国賠同盟員を映します▼「政府は謝罪と賠償を」と迫る活動は、いま安倍政権を退陣させる野党と市民の新しい運動の“敷布団”の一翼です。再び“国民の敵だ”“国賊だ”がまかり通る社会としないために。