しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月2日(水)

主張

カジノ実施法案

もうあきらめる時ではないか

 安倍晋三内閣は、刑法が禁じる賭博場・カジノの解禁を具体化するカジノ実施法案を閣議決定しました。今国会での成立を目指すといいます。国民のカジノ反対の意思は明白です。カジノが「成長戦略の目玉」(安倍首相)などという誤った思い込みにもとづく政策は、もうあきらめるべきです。

異次元の賭博の危険

 安倍首相は、同法案の閣議決定にあたり「世界最高水準のカジノ規制」という“題目”を再び口にしました。

 ▽日本人の安易なカジノ入場の抑制策とされた入場料は6000円と東京ディズニーランドより安く設定▽入場回数「制限」は週3回、月10回と、事実上の“入り浸り”容認▽3カ所とされたカジノ設置地域は最初の認定から7年後の見直しで野放図なカジノ拡大に道を開く―決定された法案の中身を見れば、首相の発言はいつわりでしかありません。

 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表の桜田照雄阪南大学教授は、カジノ賭博について「“異次元の賭け事”であり、途方もない金銭(社会的空費)が費やされる」(『前衛』5月号)と指摘しています。

 いま日本で、ギャンブル被害の最大の発生源となっているパチンコの場合、風俗営業適正化法で1分間に発射される球数が制限されており、1日の営業時間中に最大限に負けて31万2000円です。ところが、カジノのバカラ賭博では1回1分足らずで終わる勝負が無限に繰り返され、最低限度の掛け金でも、パチンコと同じ時間で負ける金は260万円にもなるといいます。「失われる(負ける)金額の大きさゆえに、カジノ解禁は、パチンコよりもはるかにひどい社会的悪影響を招く」(同前)のは明らかです。

 厚生労働省の直近の調査では、日本でギャンブル依存症の疑いがある人は320万人にのぼります。この国に、最も人間の射幸心を刺激し、深くのめり込ませる、最悪の賭博場=カジノを新たに上陸させることが、どうして許されるのでしょうか。

 カジノ誘致に名乗りをあげている大阪では、先日、大規模なカジノ見本市が開かれました。米国のラスベガス・サンズなど国際的なカジノ資本が、いよいよ直接乗り出し、日本のカジノ解禁の指揮をとり始めています。

 「カジノの無い国」である日本を、彼らはラストリゾート(最後の手段)とみなし、日本進出で巨額のもうけをあげようとねらっているのです。

 そのおこぼれにあずかろうとする国会議員、地方自治体首長、中央・地方の一部経済人らの黒い野望に、ストップをかけなければなりません。

企て日本から消し去ろう

 第1次安倍政権下の2006年、自民党内ではカジノ解禁への法案の骨子がまとめられ、カジノ解禁の危険が高まりました。この動きは、安倍首相の政権投げ出しで頓挫した経緯があります。

 今回のカジノ解禁の動きも、政権に復帰した安倍首相が13年3月の国会答弁で口火を切って始まりました。かつて、これほどカジノに前のめりだった政権はありません。安倍内閣を打倒し、カジノ解禁の企てを日本から消し去ろうではありませんか。


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