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2018年5月1日(火)

「加計」疑惑 柳瀬元首相秘書官 証人喚問待ったなし

面会の裏付け文書次々

 学校法人「加計学園」が愛媛県・同県今治市とともに進めた国家戦略特区での獣医学部新設をめぐって、当時首相秘書官だった柳瀬唯夫経済産業審議官の関与を示す文書が次々明らかになっています。しかし柳瀬氏は、なおも関与を否定。虚偽答弁や証言拒否をすれば偽証罪に問われる証人喚問での真相究明は待ったなしです。


 「何らかの機会があれば、柳瀬氏は知っていることを全て明らかにしてもらいたい」。安倍晋三首相は4月26日の衆参両予算委員会でこう述べましたが、日本共産党など6野党が求めている証人喚問には言及しませんでした。野党の要求に対し「まずは参考人として招致」と喚問を突っぱねる与党の立場を代弁した形です。

 柳瀬氏の関与をめぐっては、愛媛県と今治市が国家戦略特区に獣医学部新設を申請する2カ月前の2015年4月2日、首相官邸で学園幹部や県・市職員と面会し、学部新設の計画について具体的に指南した問題が焦点になっています。

 一学校法人、自治体職員に首相秘書官が官邸で対応するというこの異例の面会は“加計ありき”そのものだとして、野党側が昨年7月の衆参両予算委で追及。当時参考人として出席した柳瀬氏は「記憶の限りでは会っていない」「記録もとっていない」と面会そのものを真っ向から否定しました。

 ところが、今年4月に入ってその面会を裏付ける文書が次々判明。愛媛県作成の面会記録では柳瀬氏は「本件は、首相案件」と発言。安倍首相が友人の加計孝太郎・同学園理事長と会食した際、獣医学部の計画が話題になったことをうかがわせる記述などもありました。

 さらに農水省でも、愛媛県文書とほぼ同じ記述の文書が判明。学園幹部、県・市職員らが15年4月2日午前11時半から、藤原豊・地方創生推進室次長(当時)の面会後、午後3時から柳瀬氏に面会予定と記した内閣府から文科省あてのメールも見つかりました。

 ところが、こうした面会を決定付ける文書を前にしても柳瀬氏は「記憶の限りで会ったことはない」とコメントする始末です。

 うその答弁をしても罪に問われない参考人招致だからこそ柳瀬氏は、「記憶がない」の一言でこの間明らかになった事実を否定してきました。証人喚問に背を向ける与党の姿勢は、疑惑隠し・幕引きそのものです。

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