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日本共産党

2018年4月25日(水)

下村氏暴言 「謝罪」口だけ 異常な被害者攻撃

セクハラ告発「犯罪者」呼ばわり

 自民党の下村博文元文科相が、福田淳一前財務事務次官によるセクハラの被害者を「犯罪者」とした暴言(22日)について「謝罪・撤回」に追い込まれました。しかし、その内容は、発言全体に全く無反省で、むしろ異常な開き直りで被害者に対する攻撃を繰り返すものとなっています。

 下村氏は、被害女性が福田氏のセクハラ発言を録音し、これを週刊誌に提供したことを「ある意味犯罪」と述べたことを「表現が不適切」だったとして、撤回しました。しかし、セクハラ被害者をまるで「加害者」のように攻撃し、新たに被害女性に深刻なダメージを与えたことについて全く謝罪していません。それは「(福田氏が)はめられた」という発言を撤回していないことに端的に示されています。「犯罪」という表現が“行き過ぎ”というだけで、福田氏のほうが被害者だとする発言を、撤回も謝罪もしていないのです。

 さらに下村氏は“謝罪”文で、「テレビ局が隠し録音を事前に聞かされたことがなかったのだとすれば、もしかすると女性記者は端(はな)から週刊誌に提供する意図で隠し録音をしていたのではないか」という“疑念”をあらためて強調しています。

 福田氏のセクハラから自分を守るために録音を始めたとする女性に対し、「福田氏を意図的に陥れる目的で録音していた」と攻撃する―。これは謝罪でもなんでもなく、被害者に対する2度目、3度目の冒とくです。テレビ局自身が、被害女性の告発を十分受け止めなかったことについて反省すべき点があるとしても、それは、被害者が自分を守るための行動を一層迫られた要因であり、被害者の落ち度ではありません。

 自分の所属会社が抗議もしてくれないもとで、財務事務次官という国の要職にある人物の人権侵害行為を告発することは、むしろ「公益通報」という側面もあります。

 下村氏は22日の講演で「(録音を)週刊誌に売るっていうこと自体が、はめられてます」と述べています。しかし、被害女性は音声データの売買を否定し、週刊新潮の関係者も「本件に関しては一切お支払いしていない」としており、「売る」とした発言も事実と異なる決めつけ、攻撃です。

 “謝罪”に名を借りた被害者攻撃に、国民の怒りが広がることは避けられません。


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