しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月24日(火)

セクハラ被害者犯罪者扱い

下村元文科相が撤回

「謝罪」しながら人権侵害に居直り

本紙が報道

 自民党の下村博文元文科相(衆院議員)は23日、福田淳一財務事務次官によるセクハラ被害を受けたテレビ朝日の女性社員が福田氏の発言を録音していたのは「ある意味犯罪だと思う」と述べたことについて「表現が不適切でした」と認め、「率直に撤回するとともに謝罪いたします」とするコメントを発表しました。

 しかし、コメントは「謝罪」と言いながら、「女性記者は端(はな)から週刊誌に提供する意図で隠し録音をしていたのではないかという疑念が生じた」と述べるなど、被害者の人権と尊厳を傷つける内容となっています。

 この問題をめぐっては、本紙23日付が、下村氏が22日に開かれた講演会で「テレビ局の人が隠してとっておいて週刊誌に売ること自体がはめられていますよ。ある意味犯罪だと思う」と述べ、セクハラ被害者を「犯罪者」扱いする暴言を吐いたことを報道し、反響を広げていました。

 被害女性は音声データの売買を否定し、週刊新潮の関係者も「本件に関しては一切お支払いしていない」としています。「売った」という下村氏の発言は事実をゆがめた被害者への攻撃です。

言語道断の重大発言 徹底的に追及していく

小池書記局長が批判

 日本共産党の小池晃書記局長は23日、国会内の記者会見で、福田淳一財務事務次官のセクハラ発言を録音したテレビ朝日の女性記者の行為は「ある意味犯罪だと思う」などと述べた下村博文元文部科学相(自民党衆院議員)の講演(22日、本紙23日付1面報道)について、「被害者を犯罪者扱いする大変重大な発言だ」と厳しく批判し、「徹底的に追及していく」と表明しました。

 小池氏は、講演の音声データを入手したとして、その内容を読み上げて紹介。下村氏が「日本のメディアは日本の国家をつぶすために存在しているんです」などと語っていることも明らかにしました。

 その上で、セクハラの被害者に“名乗り出ろ”という財務省の対応自体、「セカンドレイプ」(二次的な性的加害)だと大きな批判を浴びているなかでの今回の下村氏の発言は「言語道断だ」と指摘。セクハラ問題で財務省に抗議した野党の女性議員を指して「セクハラとは縁遠い方々」などとツイッターに投稿した同党の長尾敬衆院議員(大阪14区)の問題にも言及し、「いまの自民党の異常さが出ているのではないか。国民の意識との乖離(かいり)が本当に大きくなってきている」と強調しました。


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