しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月23日(月)

きょうの潮流

 日本初の「セクハラ民事裁判」が起こされたのは1989年です。上司の編集長から性的な嫌がらせを受けた上に解雇された出版社の女性が訴えました▼セクハラという言葉自体も社会に知られてなく、声をあげる人は逆にトラブルメーカーとみられていた時代。原告側は上司だけでなく、女性の退職によって解決させようとした会社の行為も性差別になると責任を求めました▼「会社も訴えたのは女性の働き方そのものを問い直すためでした」。原告側の弁護士が語っています。その後、政府がセクハラ防止の指針づくりに動きだすなど社会の意識も高まりましたが、30年近くたちながら今も時が止まっているかのような事態も▼財務省事務次官のセクハラ発言をめぐる一連の対応は、この問題への立ち遅れた醜態をさらしています。加害者をかばい、勇気をだして告発した女性記者に名乗り出ろと恫喝(どうかつ)する財務相。被害者を犯罪者呼ばわりする元文科相。人権感覚の欠如は甚だしい▼前からセクハラを受けていたという女性記者は、上司に相談しても身を守る手だてをとってもらえなかったと。これでは泣き寝入りしろといっているようなものです▼働く女性の3人に1人がセクハラ被害に遭っている現実。野党の合同集会で紹介されたある記者の手紙には「数え切れない女性が、数え切れない我慢を重ねている」。男らしさ女らしさの決めつけ、性差やさげすみが根っこにあるセクハラ。もうこんな社会は終わりにしよう。「Time’s  Up」


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